犬の健康を考える際、肝臓は中心的な役割を果たす臓器の一つです。肝臓は体の解毒作用を担当し、栄養素の代謝や貯蔵も行います。一般的に「さつまいも」は肝臓病の犬にとって安全で健康的な食べ物であると考えられています。この記事では犬の管理栄養士がさつまいもが犬の肝臓の健康に与える影響や効果について解説します。
さつまいもの栄養価と犬の健康
犬はさつまいもを食べることができ、加熱すれば愛犬に与えても問題ありません。
さつまいもは、犬の健康に必要なビタミンC,Eやカリウムや食物繊維を豊富に含む食材です。特にビタミンCは、ビタミンの中でも強い抗酸化作用を持ち、免疫力を維持する働きが期待できます。また、犬の皮膚や関節に重要な成分であるコラーゲンとの関わりが強いと言われており、皮膚や関節の健康維持も期待されています。さらに、さつまいもの食物繊維は消化を助けるだけでなく、肝臓の機能をサポートする作用もあります。
さつまいもの詳しい栄養価については以下の記事で解説しておりますので参照ください。
犬の肝臓病とさつまいも
肝臓病の犬にとってさつまいもがもたらす主な利点の1つは、繊維含有量が高いことです。繊維は、消化を調節し、健康な腸を促進する上で重要な役割を果たします。肝臓病の犬によく見られる便秘や下痢を和らげるのに役立ちます。さらに、繊維は血糖値を調節し、健康的な体重を維持するのに役立ちます。これは肝臓に問題を抱えている犬にとって重要です。
さつまいもには、肝臓を酸化ストレスや損傷から保護するのに役立つβ-カロテンなどの抗酸化物質も豊富に含まれています。肝臓は体の解毒を担当しており、抗酸化物質は肝臓の機能をサポートする上で重要な役割を果たします。
犬の食事にさつまいもを含めることで、肝臓の健康を助ける天然の抗酸化物質源を提供することができます。
また、さつまいもは低脂肪な食材です。肝臓は体内の脂肪の代謝を担当しており、低脂肪の食べ物は肝臓の負担を減らし、肝臓病のリスクを低減する可能性があります。
さつまいもは一般的に健康的な食品であるとされていますが、個々の犬の状況によっては避けたほうが良いこともあるので、肝臓病の犬にさつまいもを与える前にまずは動物病院に相談してみることをおすすめします。
犬にさつまいもを与え方と注意点
与え方
生のさつまいもは消化に悪く下痢や嘔吐の原因になるため避けて、蒸したり焼いたりして柔らかく調理しましょう。
さつまいもの皮は栄養が豊富ですが、消化に時間がかかることも。皮は小さく切るか、皮を取り除くことをおすすめします。
愛犬に病気がある場合は注意
さつまいもは糖質が高く、摂りすぎることで血糖値を下げるためインスリンが分泌されます。そのため、肥満や糖尿病の犬はなるべく食べないほうが良いです。
愛犬の腎臓機能に疾患があるとさつまいもに含まれるカリウムが溜まりやすくなり、不整脈など心臓に影響を及ぼす可能性があります。
また、食物繊維が多いため、消化機能が弱い犬に与えると下痢を引き起こす可能性があるので注意してください。
さつまいもを与える量
さつまいもは100gあたり131kcalのエネルギーを含みます。そのため、与えすぎることでカロリー過多とならないように注意しましょう。
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まとめ
・さつまいもは、犬の健康に有効なビタミンC、E、カリウム、食物繊維などを豊富に含む食材で、肝臓の健康に利点があります。
・肝臓病の犬には、さつまいもの繊維が消化を調節し、腸の健康を促進するため有効です。また、β-カロテンなどの抗酸化物質が肝臓を保護する可能性があります。
・さつまいもは低脂肪の食材で、肝臓の脂肪代謝をサポートし、肝臓病のリスクを低減する可能性があります。
・生のさつまいもは消化に悪く、蒸すか焼くなどして柔らかく調理しましょう。
・さつまいもの摂取量や与え方には注意が必要で、犬の健康状態や疾患に応じて摂取を調整するか、時には避けることも必要です。