犬がカリカリのフードを食べない時の対処法と「わがまま」の真相

犬がカリカリフードを食べないのはわがまま

平山賢徳
犬の管理栄養士

愛犬は家族の一員であり、健康で元気に過ごしてほしいと願っています。しかし、普段与えているカリカリフードを愛犬が食べなくなった場合、飼い主としてはとても心配になりますよね。本記事では、犬がドライフードを拒否する理由や対処法、そして「わがまま」とは本当にそうなのか、その真相に迫ります。

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なぜ犬はカリカリのフードを食べないのか?

なぜ犬はカリカリのフードを食べないのか?

環境・心理的な理由

  • ストレス:環境の変化、他のペットとの関係、飼い主の態度などのストレス
  • 季節の変わり目:季節の変わり目での食欲低下
  • 好き嫌い:犬にも好みの食べ物や嗜好性がある

ストレス:
犬は新しい環境や家族構成の変更、他のペットの導入、家族の留守番が多くなるなどの変化に敏感です。これらの変化は犬にストレスをもたらし、食欲に影響を及ぼすことがあります。

ストレスを感じると、犬は食事を摂取することの安全性を疑ったり、消化能力が低下することが考えられます。そのため、愛犬の生活環境や日常の変化には注意が必要です。

季節の変わり目
犬も人と同じく、季節の変わり目に体調を崩しやすいことがあります。特に暑い夏や寒い冬の初めは食欲が落ちることがあります。

また、季節の変動による気圧の変化や気温の変動は、犬の心理的・身体的なストレスの原因となることがあります。

このような時期には、適切な室温や湿度の調整、保湿対策などを施し、快適な環境を提供することや相手をしてあげたりスキンシップ・見守ってあげることが大切です。

好き嫌い
犬にも好みの食べ物や嗜好が存在します。一度嫌いだと判断した食べ物には二度と興味を示さないことも。また、突然のフードの変更や、特定の食材や香りに対する嫌悪感が原因で食事を拒否することがあります。

このような場合、少しずつ新しいフードに切り替えるか、好きな食材をミックスして提供することで、慣れさせたり食べる意欲を引き出すことができます。

これらの環境・心理的な要因を理解し、愛犬の状態や反応を注意深く観察することで、適切なケアや対応が可能となります。

健康的な理由

愛犬がカリカリフードやご飯を食べなくなる場合、健康的な理由の可能性が挙げられます。

ご飯を食べない裏に、実は健康的な問題や病気が背後に隠れている可能性もあるため健康的な理由を疑った方が良いでしょう。

  • 歯の問題:歯茎に問題があるなどの理由で噛むのが辛い場合
  • 消化器系の問題:胃腸が弱っている、消化に問題が生じている場合
  • その他の病気や感染:風邪やウィルス感染など、身体の不調が原因で食欲が落ちる場合
    など

歯の問題
歯が痛い、歯茎に問題があるなどの理由で噛むのが辛い場合は、代表的なもので歯周病、口内炎などの可能性が考えられます。

犬が歯痛や歯茎の炎症を持っている場合、固いカリカリフードを噛むことが痛みを伴う可能性があるため、避けるようになります。歯の問題は、特に中高齢の犬に一般的であり、放置するとさらに重大な健康問題を引き起こす可能性があります。

消化器系の問題
胃腸が弱っている、消化に問題が生じている場合も、犬が食欲不信になる原因の一つになります。消化器とはご飯が口に入ってから排泄されるまでの器官のことで、具体的には胃・腸・食道などを指します。

消化器系の病気はストレスや食べすぎ・環境の変化といったさまざまな原因で起こります。犬に多い消化器の病気としては、代表的なもので膵炎、炎症性腸疾患(IBD)、胆泥症、急性胃腸炎などが挙げられます。

その他の病気や感染
風邪やウィルス感染など、身体の不調が原因で食欲が落ちる場合もあります。犬も人と同様に風邪の症状にかかってしまう事があります。犬の風邪、代表的なものには咳が主症状のケンネルコフがありますが、その他にも肺炎やフィラリア感染症、心臓疾患など様々です。

愛犬がご飯を食べない食欲不振の他に、水を飲まなくなったり、嘔吐・下痢、血が出る、元気が無くぐったりする、咳が出る、熱があるなどの普段とは異なる症状が見られた場合は、病気の可能性を考え、早めに獣医師に相談することが重要です。

犬はわがままで食べないこともある

犬はわがままで食べないこともある

確かに、犬がフードやご飯を食べない背後には「わがまま」で食べないこともあります。犬も個体差があり、好みや性格によって食事の取り組み方が異なります。

犬は時として、飼い主の注意を引くためや、より美味しい食べ物を求めるために、「わがまま」を言うようになります。

例えば、手作り食やおやつを頻繁に与えていると、カリカリフードを避ける傾向が見られることがあります。飼い主としては、栄養バランスを考慮しつつ、適切なご褒美や食事のルーチンを設定することが重要です。

「わがまま」と一言で言ってしまえば簡単ですが、実際には犬が自分の好みを持っていることの表れかもしれません。また、飼い主が過度に気を使い、さまざまな食べ物を与えてしまうことで、犬が選り好みするようになる場合もあります。

本当にわがままが原因?

本当にわがままが原因?

犬がフードやご飯を食べないことを「わがまま」以外にも考慮する必要があります。上記で述べたように健康や環境、心理的な問題が背景にあるかもしれません。

そして、犬も人と同様に個体差でそれぞれ違うことを意識しておきましょう。人にも好き嫌いがあるように、犬にも好き嫌いが確かに存在します。そのため飼い主さんは犬にとっての「好み」も考慮する必要があります。

犬のフードジプシーやフード探しの旅はとても大変ですが、見つけた時の喜びもまた大きいものです。

また、一つの種類にこだわらず、栄養用と好み用などドッグフードを数種類混ぜたりすることや、カリカリフードを手作りやウェットフードとの併用など工夫してあげることもとても大切です。

カリカリのドライフードを食べさせるための対処法

カリカリのドライフードを食べさせるための対処法

食事の環境の見直しやストレスを軽減する

犬は落ち着いた環境での食事を好むため、騒がしい場所や他のペットから離れた場所での食事を試みてみましょう。

また、ストレスは食欲に大きな影響を及ぼすことがあります。愛犬と一緒に運動することで、ストレスを軽減し、食欲を増進させる効果が期待できます。散歩や遊びを取り入れることで、犬の心身ともに健康的な状態を保つことができます。

食事のリズムを作る

一日の同じ時間帯に食事を提供することで、犬の体内時計に食事のリズムを作りましょう。

食べない場合は、食事の時間を一定にし、一定の時間が過ぎたらご飯を引っ込めることでしつけを行います。この方法で、犬に「食事の時間は限られている」という意識を持たせ、次回の食事時に食べる意欲を高める効果が期待できます。

フードの変更

犬の好みや消化状態に合わせて、異なるブランドや成分のフードを試してみることが有効です。愛犬の健康のために質の良いフードを選び、新しいフードに切り替える際は、徐々に混ぜながら変えることで、犬の体調を崩さないよう注意しましょう。

トッピングや混ぜ合わせ

トッピングとして、犬が好きな食材やふりかけなどをドライフードの上に載せることで、食べる意欲を刺激します。トッピング以外には、フードをお湯でふやかすことや温めて香りを出すことで、食事への誘引効果を高めて、噛みやすくし、食べやすくする効果があります。

また、ウェットフードや手作り食を少量混ぜてみることで、カリカリフードに徐々に慣れさせる助けとなります。一般食のウェットフードや、手作り食の場合は1日分の栄養バランスに不安が残るので総合栄養食のカリカリフードを混ぜて栄養を補うことはとても有効です。

愛犬に合うフード探しの旅や工夫は飼い主さんにとってとても大変ですが、最後には必ず見つかるはずですので、無理のない範囲で頑張りましょう。

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まとめ

・犬はカリカリのフードを食べないのは、環境・心理的な理由と健康的な理由があります。
・犬はわがままでカリカリフードを食べないこともあるため、適切なご褒美や食事週間が大切です。
・わがままが原因でない場合も事前に考慮しておきましょう。
・カリカリフードを食べない場合は、それぞれの対処法を一度試してみましょう。
・愛犬にぴったりのフードや方法が必ず見つかるので無理のない範囲で頑張りましょう。

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