ボディコンディションスコア (BCS) で愛犬や愛猫の理想体型 (適正体型) を把握しましょう

ボディコンディションスコア (BCS) で愛犬や愛猫の理想体型 (適正体型) を把握!体型を管理する方法をペット栄養管理士が解説おすすめ
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ペット栄養管理士_高山裕紀

高山裕紀
ペット栄養管理士

早速今日の本題です。愛犬や愛猫が適正体型かどうかを簡単にチェックする方法として、ボディコンディションスコア(BCS)があります。この指標を使うと体型を5段階に評価でき、理想体型どうか判断することができます。動物病院でも利用している指標ですので、この機会にお試しください。また、理想体型に近づけるために運動量(消費カロリー)や食事(摂取カロリー)のコントロール方法も説明していますので、最後までご確認ください。

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ボディコンディションスコア(BCS)って何?

ボディコンディションスコア (BCS) って何?

犬や猫の体型を5段階で評価

ボディコンディションスコア(BCS)により、愛犬・愛猫が理想体型であるかどうかを知れるだけではなく、食事の量が適正であるかどうかを測ることもできます。また、常日頃から体重を測ることはないと思いますので、ボディコンディションスコア(BCS)を理解しておくことで、愛犬・愛猫の急激な体重変化にもいち早く気づくことができます。

犬のボディコンディションスコア(BCS)による評価方法

犬のボディコンディションスコア
出典:環境省「体調管理について

・BCS 1は痩せ型
・BCS 2はやや痩せ型
・BCS 3が理想体型
・BCS 4はやや肥満
・BCS 5は肥満

愛犬がどれに当てはまるかをチェックしてみましょう。ボディコンディションスコア(BCS)1や2である場合は、普段の食事の量をもう少し増やしてあげてもいいでしょうか。一方で、ボディコンディションスコア(BCS)4や5である場合は、普段の食事の量を減らしたり運動する量を増やしてあげましょう。

BCS 1 (痩せ)

肋骨、腰椎、骨盤が外から容易に見える。触っても脂肪が分からない。腰のくびれと腹部の吊り上がりが顕著。

BCS 2 (やや痩せ)

肋骨が容易に触る。上から見て腰のくびれは顕著で、腹部の吊り上がりも明瞭。

BCS 3 (理想体型)

過剰な脂肪の沈着なしに、肋骨が触れる。上から見て肋骨の後ろに腰のくびれが見られる。横から見て腹部の吊り上がりが見られる。

BCS 4 (やや肥満)

脂肪の沈着はやや多いが、肋骨は触れる。上から見て腰のくびれは見られるが、顕著ではない。腹部の吊り上がりはやや見られる。

BCS 5 (肥満)

厚い脂肪に覆われて肋骨が容易に触れない。腰椎や尾根部にも脂肪が沈着。腰のくびれはないか、ほとんど見られない。腹部の吊り上がりは見られないか、むしろ垂れ下がっている。

猫のボディコンディションスコア (BCS) による評価方法

のボディコンディションスコア
出典:環境省「体調管理について

・BCS 1は痩せ型
・BCS 2はやや痩せ型
・BCS 3が理想体型
・BCS 4はやや肥満
・BCS 5は肥満

愛猫がどれに当てはまるかをチェックしてみましょう。ボディコンディションスコア(BCS)1や2である場合は、普段の食事の量をもう少し増やしてあげてもいいでしょうか。一方で、ボディコンディションスコア(BCS)4や5である場合は、普段の食事の量を減らしてあげましょう。

BCS 1 (痩せ)

肋骨、腰椎、骨盤が外から容易に見える。首が細く、上から見て腰が深くくびれている。横から見て腹部の吊り上がりが顕著。脇腹のひだには脂肪がないか、ひだ自体がない。

BCS 2 (やや痩せ)

肋骨が容易に触る。上から見て腰のくびれは最小。横から見て腹部の吊り上がりはわずか。

BCS 3 (理想体型)

肋骨は触れるが、見ることはできない。上から見て肋骨の後ろに腰のくびれがわずかに見られる。横から見て腹部の吊り上がり、脇腹にひだがある。

BCS 4 (やや肥満)

肋骨の上に脂肪がわずかに沈着するが、肋骨は容易に触れる。横から見て腹部の吊り上がりはやや丸くなり、脇腹は窪んでいる。脇腹のひだは適量の脂肪で垂れ下がり、歩くと触れるのに気づく。

BCS 5 (肥満)

肋骨や背骨は暑い脂肪に覆われていて容易に触れない。横から見て腹部の吊り上がりは丸く、上から見て腰のくびれはほとんど見られない。脇腹のひだが目立ち、歩くと盛んに揺れる。

理想体型であるボディコンディションスコア(BCS)3を目指すには

理想体型 (BCS3) に近づけるために

①愛犬・愛猫の必要カロリーを計算する
②運動量(消費カロリー)を計算
③食事(摂取カロリー)を計算

理想体型であるボディコンディションスコア(BCS)3を目指すには、普段から食事の量や運動量の調整をしてあげることが大切です。①1日に与えるべき必要カロリー②運動量(消費カロリー)③食事(摂取カロリー)を調整してあげることで、愛犬・愛猫のカロリーコントロールができます。

①愛犬・愛猫の必要カロリーを計算する

お手元に電卓がありましたら、下記の4ステップで愛犬・愛猫の必要カロリーを計算してみましょう。例として体重5.5kgの去勢済み・減量したい犬を例に計算してみます。(ステップ1) 5.5×5.5×5.5=166.375 (ステップ2) 166.375にルートを2回押す=3.59 (ステップ3) 3.59に70を掛ける=251.4 (ステップ4) 251.4に減量したい場合の計数1.0を掛ける=251.4 この結果から分かることは、例の犬は1日251.4kcalが必要ということです。

<必要カロリー計算ステップ>

1:体重を3乗する(体重×体重×体重)
2:√(ルート)を2回押す
3:2の結果に70を掛ける (×70)
4:3の結果に当てはまる活動係数(※)を掛ける(例:成長期の猫であれば ×2.5)

<犬の活動係数>
・生後4か月まで 3.0
・生後4か月~成犬まで 2.0
成犬以降
・未去勢・未避妊犬 1.8
・去勢・避妊犬 1.6
・減量したい場合 1.0

<猫の活動係数>

・成猫まで 2.5
成猫以降
・未去勢・未避妊犬猫 1.4~1.6
・去勢・避妊猫 1.2~1.4
・減量したい場合 1.0

②運動量(消費カロリー)を計算

猫の場合は中々散歩をしないので消費カロリーはあまり考慮できませんが、犬の場合は散歩をすると思いますので、散歩における消費カロリーを計算します。大まかな計算ではありますが、通常の速度で体重5kgの犬が1km散歩すると6kcalほど消費します。例の5.5kgの犬が1日3km散歩をすると考えると、例の犬の散歩の消費カロリーは18kcalです。

<1kmの散歩での消費カロリー (目安)>

体重5kg 6kcal
体重10kg 12kcal
体重15kg 18kcal
体重20kg 24kcal
以下同様

<2kmの散歩での消費カロリー (目安)>

体重5kg 12kcal
体重10kg 24kcal
体重15kg 36kcal
体重20kg 48kcal
以下同様

<3kmの散歩での消費カロリー (目安)>

体重5kg 18kcal
体重10kg 30kcal
体重15kg 42kcal
体重20kg 54kcal
以下同様

③食事(摂取カロリー)を計算

食事については普段与えているフードがあれば、フードのパッケージ記載されているエネルギー(カロリー)の欄を確認してみましょう。大体は100gあたりのカロリーとなっているはずです。ここでは100gあたり400kcal摂取できるフードとしましょう。
さて、例の犬は1日251kcalが必要カロリーで、散歩によって18kcal消費しますので、例の犬は1日合計269kcalが必要となります。100gあたり400kcal摂取できるフードであれば67g与えるのが適正ということがわかります。

このようなステップで愛犬や愛猫にとって最適なカロリーコントロールをすることで、ボディコンディションスコア(BCS)3のベストな体型を維持することができます。是非参考にしてみて下さい。また、急激な減量や運動は健康に対して逆効果となりますので、少しずつ変えてあげることが大切です。ご飯の量を増やしたのに体重が増えない場合は、病気の可能性もありますので動物病院で相談することをおすすめします。

まとめ

・今日は愛犬や愛猫が適正体型かどうかを簡単にチェックする方法として、ボディコンディションスコア (BCS) についてまとめました。
・愛犬・愛猫の体型を5段階で評価してあげることで、客観的な体型を理解することができます。
・運動量(消費カロリー)や食事(摂取カロリー)を計算してあげることで、ボディコンディションスコア(BCS)3の理想体型に近づけることができます。

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