猫の祖先は砂漠地帯に生息していたことから少ない水分で生きていける体になっています。しかし、水分摂取をしないことで膀胱炎など多くの弊害が生まれますので、水は十分に与えるべきです。今日は愛猫がなかなか水を飲まないというお悩みを抱える方に是非お試し頂きたい方法をご紹介いたします。
猫が水を飲まないのはなぜ?
まずは猫の歴史から説明していきます。猫の祖先は中東の砂漠地帯に生息したリビアヤマネコだと言われています。
そして9,500年前から人と暮らし始めたと考えられ、4,000年前のエジプトでは猫は神の使いとして扱われていました。これは、穀物を主食として生きてきた人類において、ネズミを食べる存在の猫は貴重であったのでしょう。
このように猫の祖先は砂漠地帯で生息してきたため、あまり水を飲まなくても生きていけるように進化してきたと言われています。そのため、猫は腎臓で尿を凝縮させることで、過剰に水分を排出しないように発達しています。
猫が水を飲まないことによる弊害
猫が少ない水分で生きていけることは良いことですが、一方で水を飲まないことで泌尿器系や腎臓の病気リスクを高める原因になります。これらの病気は、なんと猫の傷病ランキングでも常連となっていますので、ウチの猫は大丈夫とは考えず、水を飲まない時は飼い主さんがちゃんと対応してあげましょう。
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膀胱炎
水を飲まないことで、おしっこの回数が減ってしまいます。すると膀胱内の細菌が繁殖してしまい膀胱炎の原因につながります。おしっこをする際に痛がる様子はないか、トイレに行く回数は増えていないかを普段から確認しましょう。
尿結石
水を飲まないことで、おしっこの回数が減ってくると、尿の濃度が濃くなることで結石化しやすい環境になってしまいます。膀胱炎と同様に、普段からおしっこの様子をチェックしましょう。可能であればおしっこの量が減っていないか確認すると良いです。
腎不全
水を飲まないことで、老廃物が濾過されずに体に溜まってしまいます。そうすると、腎臓への負担が大きくなってしまい腎不全の原因につながります。腎不全の症状として口からアンモニア臭がすることが挙げられます。
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猫が水を飲まないと下記のリスクが高まる
・膀胱炎
・尿結石
・腎不全
猫が水を飲まない時の緊急対処法
猫はあまり水を飲まない動物です。常に猫が必要な水分を十分に摂れる環境を提供してあげましょう。猫が1日に必要な水分量(ml)の目安は、おおよそ体重1kgあたり50mlと覚えておくと良いです。
ドライフードをふやかす
ドライフードをふやかすことで、食いつきが良くなるだけではなく水分摂取ができるため一石二鳥です。水を飲まない猫にはまずはこの方法を試してみましょう。ヤケドしないように、ふやかした後は人肌程度の温度になるまで冷ましてから与えてください。
ウェットフードを与える
ドライフードをふやかしても食べない場合は、ウェットフードを利用しましょう。ウェットフードは食いつきが良くなるだけではなく、水分摂取にも最適です。猫用ウェットフードは一般食が多いですので、総合栄養食のフードを選んであげましょう。
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愛猫が気に入っている容器を使用する
愛猫があまり水を飲まない原因として容器の可能性もあります。容器の大きさや高さが猫の体長に適切であるかを確認しましょう。また材質も気にすることがありますので、どういった容器を気に入ってくれるのか複数比較してみても良いでしょう。
水分補給を複数箇所に置く
猫の水分補給の場所は複数作りましょう。食事の場所以外に日向ぼっこする場所や寝室などいつでも水分補給ができる環境を提供しましょう。また、古くなった水を飲まないこともありますので、できる限り新しい水に交換してあげましょう。
猫が水を飲まない時の緊急対処法
・ドライフードをふやかす
・ウェットフードを与える
・愛猫が気に入っている容器を使用する
・水分補給を複数箇所に置く
まとめ
・猫の祖先は中東の砂漠地帯に生息したリビアヤマネコだと言われており、水を飲まなくても生きていけるように腎機能が発達しています。
・腎機能が発達したことの弊害として、猫の泌尿器系や腎臓の病気リスクが高まる原因になります。
・猫があまり水を飲まない時はドライフードをふやかしたり、ウェットフードを試してみましょう。
・容器の大きさ、高さ、材質を気にして水を飲まない場合もありますので、お気に入りの容器を使用してあげましょう。
・水分補給場所は複数用意して、できる限り新しい水に交換してあげましょう。