鶏肉はビタミンAやビタミンB6、動物性タンパク質などを含むため犬にとって体に良い食材です。また、鶏肉には食事から摂取する必要のある必須アミノ酸がバランスよく含まれています。しかし、鶏肉は脂質を多く含むため下痢や軟便になるのでは?と考えている方もいらっしゃるかと思います。
結論を申し上げると適量を与えれば、基本的には下痢の心配はございません。
しかし、不十分な加熱や消化吸収が低い犬に与えた場合は下痢の原因になり得ます。そのため、この記事では鶏肉の正しい与え方や注意事項についてもまとめました。
そもそも犬は鶏肉を食べられる?
鶏肉は与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。鶏肉を与える際は必ず加熱し、生や不十分な加熱による下痢や嘔吐に注意しましょう。
また、鶏肉を与える際は喉に詰まらせないように、必ず小さいサイズにカットしてから与えましょう。
そもそも犬は鶏肉を食べられる?
・鶏肉は犬に与えても問題なし。
・鶏肉の生や不十分な加熱による下痢や嘔吐に注意。
・鶏肉を与える際は小さいサイズにカット。
鶏肉の犬に対する有効成分と効能
鶏肉には良質なタンパク質が含まれており、犬にとって健康に良い食材です。ここでは鶏肉(もも)の栄養成分とその効果についてまとめています。
100g中に含まれる食品成分(文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより)
エネルギー | 190kcal |
水分 | 68.5g |
タンパク質 | 16.6g |
脂質 | 14.2g |
炭水化物 | 0g |
灰分 | 0.9g |
ビタミンA
新しい皮膚が作られ剥がれ落ちるまでのサイクル(ターンオーバー)が崩れると皮膚疾患の原因にもなります。ビタミンAはターンオーバーの周期バランスを調節する作用が期待できます。
ビタミンB6(ピリドキシン酸)
ビタミンB6は、欠乏すると神経系や血液に異常が生じて、てんかんや貧血などを引き起こす恐れがあります。また、皮膚の新陳代謝に関わるビタミンでもあるため、皮膚や被毛の健康維持に役立ちます。
ビタミンK
ビタミンKは、レバーなどに多く含まれ、血液凝固の役割を持ちます。また、骨の形成にも関与するビタミンです。
動物性たんぱく質
動物性たんぱく質は動物性の食品に含まれるタンパク質で、必須アミノ酸が多く含まれています。そのため筋肉量の維持・向上や運動時の疲労軽減、ストレスの緩和が期待できます。
鶏肉の栄養素
・ビタミンA
・ビタミンB6(ピリドキシン酸)
・ビタミンK
・動物性たんぱく質
犬に鶏肉を与えると下痢になる?
犬が鶏肉を食べて下痢をする原因として考えられるのは、不十分な加熱・脂質の摂りすぎです。愛犬が鶏肉を食べて下痢になった場合は下記の原因を疑ってみましょう。
不十分な加熱
生の鶏肉や加熱が不十分なまま鶏肉を与えると、細菌や寄生虫に感染し下痢や嘔吐の症状が出る可能性があります。肝炎などの重篤な事態を引き起こすこともありますので、与える際はしっかりと加熱をしてあげましょう。
脂質の摂りすぎ
脂質を多く含む食べ物は消化に時間がかかります。鶏肉の部位にもよりますが、もも(皮付き)100gには14.2gと多くの脂質が含まれており、過剰摂取をすることで分解されず、そのまま腸へ移動し下痢を引き起こす可能性があります。そのため、与える際は適量を与えるようにしましょう。
また、消化吸収能力が低い子には脂質が多く含まれる皮を取り除いたり脂質が少ない部位を選ぶといいでしょう。
鶏肉の部位別の脂質
もも肉 | 胸肉 | 手羽もと | 手羽さき | ささみ | 肝臓 | |
エネルギー | 190kcal | 133kcal | 175kcal | 207kcal | 98kcal | 366kcal |
水分 | 68.5g | 72.6g | 68.9g | 67.1g | 75.0g | 49.4g |
タンパク質 | 16.6g | 21.3g | 18.2g | 17.4g | 23.9g | 14.4g |
脂質 | 14.2g | 5.9g | 12.8g | 16.2g | 0.8g | 35.4g |
炭水化物 | 0g | 0.1g | 0g | 0g | 0.1g | 0.1g |
灰分 | 0.9g | 1.0g | 0.8g | 0.8g | 1.2g | 0.7g |
特にささみは、脂質が1番少ない部位ですのでおすすめの部位と言えるでしょう。
▼愛犬にささみを与える際の注意点などは下記記事を参考にしてみてください。
犬に鶏肉を与えると下痢になる?
・生の鶏肉や加熱が不十分なまま鶏肉を与えることで、下痢や嘔吐の症状が出る可能性があります。
・脂質が多く含まれる鶏肉を過剰摂取することで、消化不良を引き起こし下痢になる可能性があります。
・消化吸収能力の低い犬には、脂質が低い部位を選ぶといいでしょう。
犬に鶏肉を与える際の注意点
子犬やシニア犬
鶏肉は部位によっては脂肪分を多く含んでいるため、消化吸収力の低い犬に与えると下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。そのため、子犬やシニア犬は注意が必要です。
鶏肉アレルギーがある犬
鶏肉アレルギーを持っている犬には与えないようにしましょう。アレルギーの症状は、皮膚疾患、下痢や嘔吐が代表的です。過去に原材料に鶏肉が含まれるおやつを食べてアレルギーが発症したことがある犬は注意が必要です。
初めて与える際は少量のみ与えて様子を観察してみてください。下痢や嘔吐などがみられる場合は与えるのを止め、動物病院で診てもらうことをおすすめします。
よく加熱する
前の章でも説明しましたが、生の鶏肉を与えると細菌や寄生虫に感染するリスクがあります。そのため、必ずよく加熱して与えるようにしましょう。温度は出来るだけ常温に近づけてから食べさせてください。
また、喉に引っかかることや消化不良の危険性を考えて、与える際は食べやすいサイズに小さくカットしましょう。
鶏肉を与える量
鶏肉(もも)は100gあた約190kcalのエネルギーを含みます。そのため、与えすぎることでカロリー過多とならないように注意しましょう。
犬は体型や活動量など、個体によって1日に必要なカロリーが異なります。愛犬が1日に必要なカロリーを把握することで、おやつや食事の量を適切にコントロールしてあげましょう。
▼愛犬の1日に必要なカロリーを知るには下記記事がオススメです。
鶏肉を与える際の注意点
・子犬やシニア犬
・鶏肉アレルギーがある犬
・よく加熱する
・鶏肉を与える量
まとめ
・鶏肉は与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。よく加熱し適量を与えましょう。
・鶏肉には犬の健康に良い栄養素を多く含むオススメの食材です。ビタミンA、ビタミンB6(ピリドキシン酸)、ビタミンK、動物性たんぱく質、といった栄養素を含みます。
・鶏肉に多く含まれる脂質や不十分な加熱により下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。
・鶏肉を与える際は、子犬やシニア犬、鶏肉アレルギーがある犬、調理方法、与える量には気をつけましょう。