この記事の著者

ペット栄養管理士 高山裕紀
「食事と健康のはなし」編集長。
ペットフード会社でドッグフードの開発を経験後に動物たちの健康寿命の延伸を目的に(株)topetを創業。
日本ペット栄養学会所属。ペット栄養管理士、犬の管理栄養士を保有。
はじめに
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早速今日の本題です。いちごはビタミンCが豊富で犬の健康に良いフルーツです。犬用医薬品として犬の歯周病用商品の原材料としても研究されています (※)。そんないちごですがアレルギーやキシリトールに注意して与えてあげないと嘔吐や下痢を引きを越す可能性もあります。今日はいちごを与えることによる効果と注意点についてまとめています。
※日本経済新聞:「遺伝子組み換えイチゴで犬用医薬品 ホクサンや産総研」
いちごの犬に対する有効成分と効能

・免疫力の活性化
・整腸作用
・血圧を安定させる
免疫力の活性化
いちごの赤みはポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれるからですが、このアントシアニンは強い抗酸化作用を持つため、免疫力が活性化されて病気やウイルスに負けない体を作ることをサポートします。
整腸作用
いちごはペクチンと呼ばれる水溶性食物繊維を豊富に含んでいるため、便の調子を整える効果が期待できます。しかし与え過ぎは下痢の原因にもつながりますので、与える量はこの後お話しする注意点をご確認ください。
血圧を安定させる
いちごにはカリウムが含まれており、カリウムは血圧を安定させる効果が期待できます。これは、カリウムが持つ高血圧の要因である塩分 (ナトリウム) を排出する働きによるものです。
下痢とキシリトールに注意!いちごの与え方

・いちごを与える量の目安
・いちごの与え方
・アレルギー (キシリトール)
いちごを与える量の目安
いちごにはペクチンと呼ばれる水溶性食物繊維を豊富に含んでいるため、食べ過ぎた場合に下痢をする恐れがあります。小型犬であれば1日1粒、中型犬以上でも1日2粒を目安にしてあげると良いでしょう。また、カロリーという観点ではいちご1粒あたり5〜15kcalと低カロリーですので心配ありません。
いちごの与え方
ヘタが有害というわけではありませんが、食べにくい箇所ですのでカットしてから食べさせてあげましょう。また、喉に詰まらせてしまうことと消化性という観点から、そのまま与えるのではなく細かくカットするかペースト状にしてあげると良いです。
アレルギー
愛犬に初めて与えるものであれば何でもそうですが、初めていちごを与える場合は少量から食べさせてみて痒みや下痢・嘔吐がないかなど様子を見てあげてください。症状が出た場合は病院で獣医師に相談されることをオススメします。
キシリトール
犬にキシリトールはNGだと耳にしたことがあるのではないでしょうか。実際にキシリトールは中毒症状を起こすことが報告されており、体重1kgあたり100mgが目安と言われています。実際、いちごにも微量のキシリトールが含まれるため、気にされている方がいらっしゃるかもしれませんが、いちごに含まれるキシリトールは100gあたり44mg(※)ですので、1粒2粒程度であれば問題ないと言えます。
※Quantification of xylitol in foods by an indirect competitive immunoassay (Kundimi Sreenath 1, Yeldur P Venkatesh, 2010)
まとめ
・いちごは免疫力の活性化、整腸作用、血圧を安定させるといった効果が期待できます。
・いちごは水溶性食物繊維を多く含むため、与えすぎは下痢の原因になります。
・キシリトールも微量含まれるため、1日1〜2粒を目安にしてください。