犬猫が必要なビタミンは?それぞれのビタミンの特徴を薬剤師が解説

犬猫が必要なビタミンは?それぞれのビタミンの特徴を薬剤師が解説
薬剤師_田中諒

田中諒
薬剤師/犬の管理栄養士

犬猫がペットフードからビタミンを摂取しなければならないのには理由があります。犬猫にとって、バランスの取れた食事は健康にとって非常に重要です。特に、ビタミンは犬猫の健康に欠かせない栄養素の一つです。必要なビタミンをしっかり取るためにペットフードなども工夫されていますね。

ペットフードの中にはタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど、様々な栄養素が摂取できるように含まれています。しかし、販売されているものによって品質や成分量などが異なってきます。

なぜその栄養成分やビタミンが必要なのか理解することで、そのペットに合ったペットフードを選択することができます。

今回の記事では、犬猫が摂取する必要があるビタミンとその理由、そしてそれぞれのビタミンの特徴についても簡単にですがまとめていきたいと思います。

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犬猫がビタミンを食事から摂らなければならない理由

犬猫がビタミンを食事から摂らなければならない理由

実は犬猫は自身の体内で十分に作れないビタミンがあります。ではどうするのかというと食事から摂取します。

ペットフードには必要なビタミンが含まれていることがほとんどです。なので欠乏になることは基本的には少ないです。しかし年齢を重ねるとその生成量や利用量が変わってくるので気を遣う必要があることもあります。

またビタミンには、大きく脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの2種類に分類することができます。脂溶性ビタミンは体内に蓄えることができますが、水溶性ビタミンは尿中に排泄されやすい特徴があります。

脂溶性ビタミン

ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK。

水溶性ビタミン

ビタミンB群(B1:チアミン、B2:リボフラビン、B6: ピリドキシン、B12: コバラミン、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、ビオチン)、ビタミンC(アスコルビン酸)。

犬と猫、一括りにしていますが、犬と猫でも厳密には違うところがあります。例えばビタミンA。ビタミンAは犬は体内で生成でき、猫はできないという特徴があります。

犬はβカロテンを植物を消化することでビタミンAを合成することができますが、猫はその能力がありません。

犬と猫のビタミンの必要性についてお話してきましたが、逆に過剰になることには注意が必要です。

過剰になると食欲不振になったり下痢を起こしたり腎機能が悪化したりなどの症状を起こす可能性があります。なんでも摂取しすぎたらいいというわけではないということですね。

・ビタミンは犬猫では体内で十分に合成できないものがあるため、食事から摂取する必要がある。
・ビタミンには脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンがある。
・犬と猫でビタミンの生成能力が異なる。
・ビタミンには欠乏症と過剰症があり、摂取できるだけした方がいいというわけではない。

ビタミンの種類別役割

ビタミンの種類別役割

犬猫にとって、健康的でバランスの取れた食事は非常に重要です。ビタミンは、動物たちが健康的で長生きをするために不可欠な栄養素の一つです。ビタミンにはそれぞれ役割があります。その役割を知ることで健康状態を見て必要なビタミンを判断することができます。

ビタミンA

ビタミンAは、視力を保護し、皮膚や被毛を健康的に保ち、細胞を成長させるのに必要です。また、免疫系を強化するのにも役立ちます。ニンジン、スイートポテト、カボチャなどからビタミンAを摂取することができます。

ビタミンB群

ビタミンB群には、ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B7、B9、B12があります。これらのビタミンは、犬猫の体内でエネルギーを生成し、脳や神経系を正常に機能させるために必要です。また、健康な皮膚、被毛、肌、爪を維持するのにも役立ちます。

ビタミンC

ビタミンCは、免疫系を強化し、細胞の成長と修復に不可欠な栄養素です。また、コラーゲンの生成にも重要な役割を果たします。ブロッコリー、スイカ、イチゴ、オレンジ、キウイなどからビタミンCを摂取することができます。

ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムとリンの吸収に不可欠な栄養素です。犬猫は、日光浴をすることでビタミンDを生成することができます。サーモン、マッシュルーム、などからも摂取することができます。

ビタミンE

ビタミンEは、抗酸化作用があり、細胞を保護し、免疫系を強化するのに役立ちます。また、健康な皮膚や被毛を維持するのにも重要です。アボカド、スイートポテト、サーモンなどからビタミンEを摂取することができます。

ビタミンK

ビタミンKは、血液凝固のために必要な栄養素です。犬猫は、ブロッコリー、レタスなどからビタミンKを摂取することができます。

ビタミンは、犬猫が普段の食事で摂取することができますが、不足すると健康に悪影響を与えることがあります。市販のフードを与える場合は、栄養成分表を確認して、必要なビタミンが含まれているかどうかをチェックしましょう。また、人間の食べ物を与える場合は、犬猫に適さない食べ物があるため、注意が必要です。

例えば、犬猫にとってはチョコレートや玉ねぎが危険であり、与えると重篤な病気になる可能性があるため、決して与えてはいけません。加えて、犬猫は人間と同じように個体差があります。そのため、犬猫それぞれに合わせた適切な量のビタミンを摂取することが大切です。

また、必要量はビタミンによって異なります。ビタミンCは犬猫にとって絶対に摂取する必要があるのかは賛否があったりもします。定期的な健康診断を受け、獣医師からのアドバイスを参考にしながら、犬猫の健康管理をしっかりと行いましょう。

ビタミンの種類別役割

  • ビタミンA:犬猫の視力や皮膚・被毛の健康維持に必要です。不足すると、犬猫は視力が低下したり、皮膚トラブルが起こる可能性があります。
  • ビタミンB:犬猫のエネルギー代謝に必要な栄養素です。不足すると、犬猫の食欲低下や疲れがちになる可能性があります。
  • ビタミンC:犬猫の免疫力を高めたり、コラーゲンの生成と保持、脂質代謝、抗酸化作用などの働きがあります。不足すると、犬猫は病気にかかりやすくなる可能性があります。
  • ビタミンD:犬猫のカルシウム吸収に必要な栄養素です。不足すると、犬猫は骨の問題を抱える可能性があります。
  • ビタミンE:犬猫の細胞の老化を防ぐ抗酸化作用があります。不足すると、犬猫の免疫力低下や皮膚トラブルが起こる可能性があります。
  • ビタミンK:犬猫の血液凝固に必要な栄養素です。不足すると、犬猫は出血しやすくなる可能性があります

まとめ

・動物は体内で合成できる栄養素とできない栄養素がある。できない栄養素に関しては食事で摂取することでバランスをとっている。
・ビタミンには脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンがある。脂溶性ビタミンは体内で蓄積されやすいが、水溶性ビタミンは排泄されやすい。
・ビタミンには種類ごとに役割がある。
・犬猫には食べてはいけない食べ物もあるので注意が必要である。
・総合栄養食であれば基本的には必要なビタミンがバランスよく配合されているので、健康であればサプリメントなどで過剰に摂取しなくても良い。

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