犬猫の下痢には複数の原因があります。下痢しやすいなどの個体差もありますよね。もし下痢しやすい犬や猫であれば、予防や食事対策も有効かもしれません。
「下痢しやすくて困っている」「病院に行くべきか悩む」「治療はどのようなことができるのかわからない」など感じたことある方もいらっしゃるのではないでしょうか。下痢をしにくくするために普段から予防したりすることもできますが、予防については別記事でご紹介できればと思います。
この記事では、ビオフェルミンに絞って効果などを薬剤師が解説します。
犬猫の下痢の原因
ビオフェルミンのお話をする前に重要なことは、下痢の種類について知ることです。なぜなら、なんでもビオフェルミンが良いということではないからです。
下痢の種類には様々な原因があります。まず大事なのは、食事や一時的な下痢なのか、または病気やアレルギーなどが原因なのか知ることです。
この判断は難しいので、最終的には獣医師の判断が必要になります。
「食事が原因なのか」「病気やアレルギーが原因なのか」を判断する必要があります。
病気かどうかの判断基準としては、「激しい下痢や血便が出ているか」「食欲不振や体重減少が見られるか」「熱があるか」「嘔吐や腹痛が合併しているか」「下痢が長期間続いているか」などがあります。
このような場合は、必ず獣医師に診てもらうようにしましょう。
下痢の原因の種類
・食べ物:食事に変更があったり新しい食品を与えた場合、また食べ過ぎや体に合わなかった時などに下痢を引き起こす可能性があります。
・消化器の問題:炎症、感染、腸閉塞、膵炎、腸炎、腸内寄生虫や細菌感染などが消化器系の問題で下痢を引き起こす可能性があります。この場合は適した治療が必要になりますので、病院での治療が必要になります。
・ストレス:ストレスや不安はペットの消化器系に悪影響を与えることがあります。
・トキソプラズマ症:トキソプラズマ症による下痢を引き起こすことがあります。
・薬剤の副作用:薬剤の副作用として下痢を引き起こすことがあります。
・アレルギー:ペットがアレルギー反応を示し、下痢を引き起こすことがあります。
犬猫の下痢症状に対する治療薬の種類
下痢症状の治療にはいくつか種類があります。代表的なものをご紹介したいと思います。下痢の対処法や食事などについては、今回は触れませんので、また別の記事をご覧頂けたらと思います。
下痢の治療薬
一般的には下痢の治療薬といえばまずは整腸剤になるでしょう。
ウイルスなどが原因の場合は出し切ってしまい経過観察ということもあります。その場合は数日で下痢も治まります。細菌が原因の場合は抗生剤を使う場合も稀にあるかもしれません。
下痢でもう一つ注意することは脱水症状ですね。水分補給はしっかりするようにしてください。
下痢止めもあります。生活で困ったり脱水を起こすほどの症状であれば、下痢止めを使用することもありますが、基本的には悪いものを出してしまった方がいいと考えられます。
下痢の治療薬
・次硝酸ビスマス、タンニン酸ベルベリン、ゲンノショウコ乾燥エキス :犬の下痢を治療するための市販薬の一つで、消化器系の症状を緩和する効果があります。
・ロペラミド :犬の下痢を治療するための市販薬の一つで、腸内の運動を鎮めることにより下痢の症状を改善する効果があります。ただし、獣医師の指示に従って正しい用法、用量を守る必要があります。
・腸内細菌補充剤 : 犬の腸内に存在する善玉菌を増やすことで、腸内環境を整え、下痢を改善する効果があります。
・水分補給 :下痢をすると、犬の体内から水分が失われて脱水症状に陥ることがあります。適切な水分補給を行うことで、脱水症状を防止することができます。
ビオフェルミンの有効性
ビオフェルミンの成分、有効性
ビオフェルミン製剤は、ビフィズス菌と2種類の乳酸菌(フェーカリス菌・アシドフィルス菌)からなる整腸剤です。犬の腸内における有益な細菌の増殖を促進することで、便秘や下痢の症状に使われます。
人でもよく使われますね。
ただ、ビオフェルミン製剤は、あくまで一時的な効果なので、継続した効果は期待できません。突発的な下痢であればビオフェルミンで様子を見るのもいいかと思います。
最近では、「腸活」という言葉を耳にすることも多いのではないでしょうか。腸を整えることで、様々な効果に期待できます。
消化器系の健康をサポートすることはもちろん、免疫系の強化、ストレスの緩和、食欲の促進、体質の改善など、腸内の健康を整えることはとても大切です。
犬猫に人用のビオフェルミンを与えても大丈夫?
結論から言うと問題はないと考えられます。しかし、人とは体重が当然異なりますので、人と用量が異なります。
基本的には人と動物の体重の割合からだいたいの用量を考えることができます。目安1回あたり、小型犬は1/4錠、中型犬は1/2錠、大型犬は1錠を1日2回という用量で換算できます。
ただ、犬猫用の整腸剤、下痢止めが販売されていますので、そちらを使用することをお勧めします。
・ビオフェルミンは犬猫にも有効。
・腸活は様々な効果が期待できる。
・人用のビオフェルミンを犬猫が飲んでも大きな問題はないかもしれないが、用量の注意と、犬猫用があるのでその選択を推奨する。
まとめ
・下痢の種類には様々な原因があり、食事や一時的な下痢なのか、または病気やアレルギーなどが原因なのか知ることが重要。
・下痢の治療には様々あるが、症状や容態に合わせて適切な治療が必要。
・犬猫にもビオフェルミンは有効。人用のものも有効で問題はないと考えられるが、犬猫用のがあるのでそちらを推奨。