納豆はナットウキナーゼやトリプトファンなど犬の健康に良い栄養を多く含む食べ物です。しかし、納豆は何となく下痢や軟便になりやすいのでは?と考えている方もいらっしゃるかと思います。
確かに納豆は与え方を間違えると下痢や軟便に繋がる可能性がある食べ物です。そのため、この記事では納豆の正しい与え方や注意事項についてもまとめました。
そもそも犬は納豆を食べられる?
納豆は与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。しかし、付属のタレやからしなどを入れると下痢や嘔吐の原因になるため、必ず調味料などは使用しないでください。
また、食べやすさを考慮して小粒やひきわりの納豆を選んであげると良いでしょう。
そもそも犬は納豆を食べられる?
・納豆は犬に与えても問題なし。
・付属のタレやからしなどは使わない。
・小粒やひきわりの納豆を選ぶ。
納豆の犬に対する有効成分と効能
納豆には水溶性食物繊維が多く含まれており、体に良い栄養成分が豊富です。ここでは納豆(糸引き)の栄養成分とその効果についてまとめています。
100g中に含まれる食品成分(文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより)
エネルギー | 190kcal |
水分 | 59.5g |
タンパク質 | 16.5g |
脂質 | 10.0g |
炭水化物 | 12.1g |
灰分 | 1.9g |
ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼは、納豆菌が産出する酵素です。血栓を溶解する作用があることから、血流改善や血圧を下げる機能が期待されています。
トリプトファン
トリプトファンは、神経伝達物質を作るために必要な栄養素で、犬が体内で作り出すことが苦手な必須アミノ酸の一つです。精神を落ち着かせたり、認知機能のサポートが期待できます。
サポニン
サポニンは、強い抗酸化作用を持つため、ウイルスや細菌から体を守る免疫機能を高めて、風邪予防が期待できます。
ビタミンB2(リボフラミン)
ビタミンB2は、皮膚の健康維持や被毛の質を高めることが期待できます。また、欠乏すると皮膚や被毛が乾燥し、光線過敏症を起こすこともありますので注意が必要です。
ビタミンK
ビタミンKは、レバーなどに多く含まれ、血液凝固の役割を持ちます。また、骨の形成にも関与するビタミンです。
カリウム
カリウムは神経系の働きに重要な役割を持つミネラルです。過剰なナトリウム(塩分)を体外へ排出することで、血圧を安定させる効果もあります。
食物繊維
食物繊維は腸内で善玉菌のエサになることで腸内環境を整える効果があります。食物繊維は不溶性と水溶性がありますが、納豆に含まれる水溶性食物繊維は糖質の吸収をゆるやかにすることで、食後の血糖値上昇を抑えます。
納豆の栄養素
・ナットウキナーゼ
・ビトリプトファン
・サポニン
・ビタミンB2(リボフラミン)
・ビタミンK
・カリウム
・食物繊維
犬に納豆を与えると下痢になる?
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。納豆100gには1.2gの水溶性食物繊維と2.2gの不溶性食物繊維が含まれています。
腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌といった菌が存在し、それぞれのバランスが崩れると下痢になりやすくなります。下痢になりにくい腸を作るためには善玉菌を増やすことが大切になってきます。
水溶性食物繊維は摂取することで善玉菌のエサになり、腸内環境を整える働きがあります。そのため、納豆は腸内環境の乱れが原因による下痢の犬には効果が期待できると言えます。
しかし、水溶性食物繊維は与えすぎると下痢になる可能性があるため、与える量には注意して下さい。
また、納豆には不溶性食物繊維も豊富に含むことから、普段から軟便の犬には便の硬さを整えるという意味で与えても良いでしょう。
犬に対する不溶性食物繊維の働きは?
不溶性食物繊維も多く含む納豆ですが、犬は草食動物のように発酵槽を持たないため、不溶性食物繊維はすぐに大腸を通過してしまい、善玉菌のエサとなることで腸内環境を整える効果は発揮し難いと言われています(※)。
※ 石岡 克己 (2021) “犬と猫における消化器疾患と栄養”
犬に納豆を与えると下痢になる?
・納豆には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランス良く含まれている。
・水溶性食物繊維を多く含む納豆は、与えすぎると下痢になる可能性がある。
・適量であれば腸内環境の乱れが原因による下痢や軟便気味の犬にはおすすめ。
犬に納豆を与える際の注意点
腎臓や心臓に疾患がある犬
納豆は野菜の中でもカリウムを豊富に含んでいます。愛犬の腎臓機能に疾患があると納豆に含まれるカリウムが溜まりやすくなり、不整脈など心臓に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、愛犬に腎臓や心臓に疾患がある場合は注意しましょう。
大豆アレルギーの犬
大豆はアレルギー報告が比較的多い食べ物です。アレルギー症状としては、皮膚の痒みや下痢、嘔吐などが挙げられます。初めて与える際は、少量のみ与えて様子を見てあげて下さい。
冷やし過ぎない
特にお腹の弱い犬に注意して頂きたいのが、冷えた状態で与えないことです。犬にとって胃腸の負担となるため、下痢の原因になります。温度は出来るだけ常温に近づけてから食べさせてください。
納豆を与える量
納豆は100gあた約190kcalのエネルギーを含みます。比較的高カロリーであるため、与える量は愛犬に合わせて調節しましょう。
犬は体型や活動量など、個体によって1日に必要なカロリーが異なります。愛犬が1日に必要なカロリーを把握することで、おやつや食事の量を適切にコントロールしてあげましょう。
▼愛犬の1日に必要なカロリーを知るには下記記事がオススメです。
納豆を与える際の注意点
・腎臓や心臓に疾患がある犬
・大豆アレルギーの犬
・冷やし過ぎない
・納豆を与える量
まとめ
・納豆は与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。付属のタレやからしなどは使用しないようにしましょう。
・納豆には犬の健康に良い栄養素を多く含むオススメの野菜です。ナットウキナーゼ、ビトリプトファン、サポニン、ビタミンB2(リボフラミン)、ビタミンK、カリウム、食物繊維といった栄養素を含みます。
・納豆には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランス良く含まれているため、腸内環境の乱れが原因による下痢や軟便気味の犬にはおすすめ。
・納豆を与える際は、腎臓や心臓に疾患がある犬、大豆アレルギーの犬、冷やし過ぎない、納豆を与える量には気をつけましょう。