きゅうりはビタミンや食物繊維などを含むだけではなく、水分量が多いため水分補給にも適しています。しかし、きゅうりには食物繊維を多く含むため下痢や軟便になるのでは?と考えている方もいらっしゃるかと思います。
与え方を間違えると下痢になることはありますが、基本的には不溶性食物繊維を比較的多く含むため、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性があります。この記事ではきゅうりの正しい与え方や注意事項についてもまとめました。
そもそも犬はきゅうりを食べられる?
きゅうりは与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。皮には農薬が付いている可能性があり下痢や嘔吐の原因になるため、与える際はしっかり洗いましょう。
また、喉に詰まらせないように、食べやすく細かくカットしてあげましょう。
そもそも犬はきゅうりを食べられる?
・きゅうりは犬に与えても問題なし。
・皮はしっかり洗ってから与える。
・食べやすいように細かくカット。
きゅうりの犬に対する有効成分と効能
きゅうりはビタミンや食物繊維を豊富に多く含み犬にとって健康に良い野菜です。ここではきゅうり(生)の栄養成分とその効果についてまとめています。
100g中に含まれる食品成分(文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより)
エネルギー | 13kcal |
水分 | 95.4g |
タンパク質 | 1.0g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 3.0g |
灰分 | 0.5g |
ビタミンK
ビタミンKは、レバーなどに多く含まれ、血液凝固の役割を持ちます。また、骨の形成にも関与するビタミンです。
ビタミンC(アスコルビン酸)
ビタミンCはビタミンの中でも強い抗酸化作用を持ち、免疫力を維持する働きが期待できます。また、犬の皮膚や関節に重要な成分であるコラーゲンとの関わりが強いと言われており、皮膚や関節の健康維持も期待されています。
カリウム
カリウムは神経系の働きに重要な役割を持つミネラルです。過剰なナトリウム(塩分)を体外へ排出することで、血圧を安定させる効果もあります。
食物繊維
食物繊維は腸内で善玉菌のエサになることで腸内環境を整える効果があります。食物繊維は不溶性と水溶性がありますが、きゅうりに含まれる水溶性食物繊維は糖質の吸収をゆるやかにすることで、食後の血糖値上昇を抑えます。
きゅうりの栄養素
・ビタミンK
・ビタミンC(アスコルビン酸)
・カリウム
・食物繊維
犬にきゅうりを与えると下痢になる?
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。きゅうり100gには0.2gの水溶性食物繊維と0.9gの不溶性食物繊維が含まれています。
水溶性食物繊維は体内で水に溶けてゲル状になり便を柔らかくします。そのため、水溶性食物繊維を摂りすぎると下痢になりやすいです。
一方で、不溶性食物繊維は、便の量を増やして大腸を刺激することで排便を促します。そのため、不溶性食物繊維を摂りすぎると便秘になりやすいです。
きゅうりは不溶性食物繊維を比較的多く含むため、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性があります。しかし、普段から軟便の犬には便の硬さを整えるという意味で与えても良いでしょう。
犬に対する不溶性食物繊維の働きは?
不溶性食物繊維も多く含むきゅうりですが、犬は草食動物のように発酵槽を持たないため、不溶性食物繊維はすぐに大腸を通過してしまい、善玉菌のエサとなることで腸内環境を整える効果は発揮し難いと言われています(※)。
※ 石岡 克己 (2021) “犬と猫における消化器疾患と栄養”
犬にきゅうりを与えると下痢になる?
・きゅうりには不溶性食物繊維が比較的多く含まれている。
・きゅうりに含まれる不溶性食物繊維は、便の量を増やして大腸を刺激することで排便を促す。
・不溶性食物繊維は、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性がある。
犬にきゅうりを与える際の注意点
腎臓や心臓に疾患がある犬
きゅうりは野菜の中でもカリウムを豊富に含んでいます。愛犬の腎臓機能に疾患があるときゅうりに含まれるカリウムが溜まりやすくなり、不整脈など心臓に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、愛犬に腎臓や心臓に疾患がある場合は注意しましょう。
ウリ科のアレルギーがある犬
きゅうりはウリ科に所属しますので、ウリ科の植物にアレルギーがある場合は控えた方が良いです。アレルギーがわからない場合は、初めは少量から与えてください。
冷やし過ぎない
特にお腹の弱い犬に注意して頂きたいのが、冷やし過ぎないことです。冷えた食べ物は犬にとって胃腸の負担となるため、下痢の原因になります。温度は出来るだけ常温に近づけてから食べさせてください。
きゅうりを与える量
きゅうりは100gあた約13kcalのエネルギーを含みます。低カロリーだからと言って与えすぎると、水分量が多いため下痢の原因にも繋がります。
犬は体型や活動量など、個体によって1日に必要なカロリーが異なります。愛犬が1日に必要なカロリーを把握することで、おやつや食事の量を適切にコントロールしてあげましょう。
▼愛犬の1日に必要なカロリーを知るには下記記事がオススメです。
きゅうりを与える際の注意点
・腎臓や心臓に疾患がある犬
・ウリ科のアレルギーがある犬
・冷やしすぎない
・きゅうりを与える量
まとめ
・きゅうりは与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。皮はよく洗いましょう。
・きゅうりには犬の健康に良い栄養素を多く含むオススメの野菜です。ビタミンK、ビタミンC(アスコルビン酸)、カリウム、食物繊維といった栄養素を含みます。
・きゅうりは不溶性食物繊維を比較的多く含むため、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性があります。
・きゅうりを与える際は、腎臓や心臓に疾患がある犬、ウリ科のアレルギーがある犬、冷やしすぎない、きゅうりを与える量には気をつけましょう。