柿は免疫力を維持する働きのあるβカロテンを含み犬にとって体に良い果物です。また、柿には食物繊維を多く含むため下痢や軟便になるのでは?と考えている方もいらっしゃるかと思います。
意外にも、柿は与え方を間違えると下痢ではなく便秘になりやすいです。この記事では柿の正しい与え方や注意事項についてもまとめました。
そもそも犬は柿を食べられる?
柿は与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。皮や種は消化に悪く下痢や嘔吐の原因になるため、与える際はしっかり取り除きましょう。
また、柿の加工品や干し柿は糖分を多く含むだけではなく、カロリーも高いため与えることをおすすめしません。
そもそも犬は柿を食べられる?
・柿は犬に与えても問題なし。
・皮や種は消化に悪く下痢や嘔吐の原因になるため、与えてはいけない。
・柿の加工品や干し柿は糖分やカロリーの観点からおすすめしない。
柿の犬に対する有効成分と効能
柿(甘柿)の100g当たりのカロリーは約63kcalでβカロテンやビタミンC、ポリフェノールを含み、犬の健康に良い栄養素を多く含むオススメの果物です。ここでは柿の栄養成分とその効果についてまとめています。
100g中に含まれる食品成分(文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより)
エネルギー | 63kcal |
水分 | 83.1g |
タンパク質 | 0.4g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 15.9g |
灰分 | 0.4g |
βカロテン
βカロテンは犬の体内でビタミンAに変換され、視力や皮膚・粘膜の健康を維持します。 また、抗酸化作用を持つため免疫力を維持する働きも期待できます。
ビタミンC(アスコルビン酸)
ビタミンの中でも強い抗酸化作用を持ち、免疫力を維持する働きが期待できます。また、犬の皮膚や関節に重要な成分であるコラーゲンとの関わりが強いと言われており、皮膚や関節の健康維持も期待されています。
ポリフェノール
ポリフェノールはビタミンC以上に抗酸化能力が高く、免疫力を維持する働きが期待できます。また、歯周病の原因となる細菌の成長抑制や腎臓病・心臓病の予防にも効果が期待できます。
柿の犬に対する有効成分
・βカロテン
・ビタミンC(アスコルビン酸)
・ポリフェノール
犬に柿を与えると下痢になる?
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。柿100gには0.2gの水溶性食物繊維と1.4gの不溶性食物繊維が含まれています。
水溶性食物繊維は体内で水に溶けてゲル状になり便を柔らかくします。そのため、水溶性食物繊維を摂りすぎると下痢になりやすいです。
一方で、不溶性食物繊維は、便の量を増やして大腸を刺激することで排便を促します。そのため、不溶性食物繊維を摂りすぎると便秘になりやすいです。
以上のことから、不溶性食物繊維を多く含む柿は、食べすぎると下痢ではなく便秘になりやすいと言えます。しかし、普段から軟便の犬には便の硬さを整えるという意味で与えても良いでしょう。
犬に対する不溶性食物繊維の働きは?
不溶性食物繊維を多く含む柿ですが、犬は草食動物のように発酵槽を持たないため、不溶性食物繊維はすぐに大腸を通過してしまい、善玉菌のエサとなることで腸内環境を整える効果は発揮し難いと言われています(※)。
そのため、柿は不溶性食物繊維を多く含むため、腸内環境を整える働きはあまり期待できません。
※ 石岡 克己 (2021) “犬と猫における消化器疾患と栄養”
犬に柿を与えると下痢になる?
・柿には不溶性食物繊維が多く含まれています。
・不溶性食物繊維は、便の量を増やして排便を促すため便秘になりやすい。
・不溶性食物繊維を多く含む柿は、食べすぎると下痢ではなく便秘になりやすい。
犬に柿を与える際の注意点
柿アレルギーがある犬
犬の健康維持に役立つ栄養成分を含み、犬が食べれる果物ですがアレルギーがある場合は控えた方が良いです。アレルギーがわからない場合は、初めは少量から与えてください。
冷やし過ぎない
特にお腹の弱い犬に注意して頂きたいのが、冷やし過ぎないことです。冷えた食べ物は犬にとって胃腸の負担となるため、下痢の原因になります。温度は出来るだけ常温に近づけてから食べさせてください。
柿を与える量
柿は100gあたり63kcalのエネルギーを含みます。また、下記は100gあたり糖質量が14.3g含まれ、果物としては比較的高いですので、糖質やカロリー過多とならないように注意しましょう。
犬は体型や活動量など、個体によって1日に必要なカロリーが異なります。愛犬が1日に必要なカロリーを把握することで、おやつや食事の量を適切にコントロールしてあげましょう。
▼愛犬の1日に必要なカロリーを知るには下記記事がオススメです。
犬に柿を与える際の注意点
・柿アレルギーがある犬
・冷やし過ぎない
・柿を与える量
まとめ
・柿は与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。皮や種は消化に悪いため取り除きましょう。
・柿には犬の健康に良い栄養素を多く含むオススメの果物です。βカロテン、ビタミンC(アスコルビン酸)、ポリフェノールといった栄養素を含みます。
・不溶性食物繊維を多く含む柿は、食べすぎると下痢ではなく便秘になりやすいと言えます。
・柿を与える際は、柿アレルギーがある犬、冷やし過ぎない、与える量には気をつけましょう。