豚肉はビタミン1やビタミンB3、動物性タンパク質などを含むため犬にとって体に良い食材です。特に、ビタミンB1は他の肉類と比べても、5〜10倍を含んでおり疲労回復が期待できます。しかし、豚肉は脂質を多く含むため下痢や軟便になるのでは?と考えている方もいらっしゃるかと思います。
結論を申し上げると適量を与えれば、基本的には下痢の心配はございません。
しかし、不十分な加熱や消化吸収が低い犬に与えた場合は下痢の原因になり得ます。そのため、この記事では豚肉の正しい与え方や注意事項についてもまとめました。
そもそも犬は豚肉を食べられる?
豚肉は与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。豚肉を与える際は必ず加熱し、生や不十分な加熱による下痢や嘔吐に注意しましょう。
また、豚肉を与える際は喉に詰まらせないように、必ず小さいサイズにカットしてから与えましょう。
そもそも犬は豚肉を食べられる?
・豚肉は犬に与えても問題なし。
・豚肉の生や不十分な加熱による下痢や嘔吐に注意。
・豚肉を与える際は小さいサイズにカット。
豚肉の犬に対する有効成分と効能
豚肉に含まれるビタミンB1は、あらゆる食材の中でもトップクラスの含有量で犬にとって健康に良い食材です。ここでは豚肉(ばら)の栄養成分とその効果についてまとめています。
100g中に含まれる食品成分(文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより)
エネルギー | 366kcal |
水分 | 49.4g |
タンパク質 | 14.4g |
脂質 | 35.4g |
炭水化物 | 0.1g |
灰分 | 0.7g |
ビタミンB1(チアミン)
ビタミンB1(チアミン)はアセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質の合成と関係があると言われており、神経系の機能を正常に保つために必要な栄養素です。
ビタミンB2(リボフラミン)
ビタミンB2は、皮膚の健康維持や被毛の質を高めることが期待できます。また、欠乏すると皮膚や被毛が乾燥し、光線過敏症を起こすこともありますので注意が必要です。
ビタミンB3(ナイアシン)
ビタミンB3は、セラミドの合成を促進して皮膚を乾燥から保護する役割があります。そのため、欠乏すると皮膚炎になる可能性があるビタミンです。
動物性たんぱく質
動物性たんぱく質は動物性の食品に含まれるタンパク質で、必須アミノ酸が多く含まれています。そのため筋肉量の維持・向上や運動時の疲労軽減、ストレスの緩和が期待できます。
豚肉の栄養素
・ビタミンB1(チアミン)
・ビタミンB2(リボフラミン)
・ビタミンB3(ナイアシン)
・動物性たんぱく質
犬に豚肉を与えると下痢になる?
犬が豚肉を食べて下痢をする原因として考えられるのは、不十分な加熱・脂質の摂りすぎです。愛犬が豚肉を食べて下痢になった場合は下記の原因を疑ってみましょう。
不十分な加熱
生の豚肉や加熱が不十分なまま豚肉を与えると、細菌や寄生虫に感染し下痢や嘔吐の症状が出る可能性があります。肝炎などの重篤な事態を引き起こすこともありますので、与える際はしっかりと加熱をしてあげましょう。
脂質の摂りすぎ
脂質を多く含む食べ物は消化に時間がかかります。豚肉(ばら)100gには35.4gと多くの脂質が含まれており、過剰摂取をすることで分解されず、そのまま腸へ移動し下痢を引き起こす可能性があります。そのため、与える際は適量を与えるようにしましょう。
また、豚肉の部位によっても脂質量は変わってきますので、消化吸収能力が低い子には脂質が少ない部位を選ぶといいでしょう。
豚肉の部位別の脂質
ヒレ肉 | もも肉 | ロース | 肩ロース | ばら | |
エネルギー | 118kcal | 171kcal | 140kcal | 212kcal | 366kcal |
水分 | 73.4g | 68.1g | 70.3g | 65.1g | 49.4g |
タンパク質 | 22.2g | 20.5g | 22.7g | 17.8g | 14.4g |
脂質 | 3.7g | 10.2g | 5.6g | 16.0g | 35.4g |
炭水化物 | 0.3g | 0.2g | 0.3g | 0.1g | 0.1g |
灰分 | 1.2g | 1.0g | 1.1g | 1.0g | 0.7g |
犬に豚肉を与えると下痢になる?
・生の豚肉や加熱が不十分なまま豚肉を与えることで、下痢や嘔吐の症状が出る可能性があります。
・脂質が多く含まれる豚肉を過剰摂取することで、消化不良を引き起こし下痢になる可能性があります。
・消化吸収能力の低い犬には、脂質が低い部位を選ぶといいでしょう。
犬に豚肉を与える際の注意点
子犬やシニア犬
豚肉は脂肪分を多く含んでいるため、消化吸収力の低い犬に与えると下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。そのため、子犬やシニア犬は注意が必要です。
豚肉アレルギーがある犬
豚肉アレルギーを持っている犬には与えないようにしましょう。アレルギーの症状は、皮膚疾患、下痢や嘔吐が代表的です。過去に原材料に豚肉が含まれるおやつを食べてアレルギーが発症したことがある犬は注意が必要です。
初めて与える際は少量のみ与えて様子を観察してみてください。下痢や嘔吐などがみられる場合は与えるのを止め、動物病院で診てもらうことをおすすめします。
よく加熱する
前の章でも説明しましたが、生の豚肉を与えると細菌や寄生虫に感染するリスクがあります。そのため、必ずよく加熱して与えるようにしましょう。温度は出来るだけ常温に近づけてから食べさせてください。
また、喉に引っかかることや消化不良の危険性を考えて、与える際は食べやすいサイズに小さくカットしましょう。
豚肉を与える量
豚肉(ばら)は100gあた約366kcalのエネルギーを含みます。そのため、与えすぎることでカロリー過多とならないように注意しましょう。
犬は体型や活動量など、個体によって1日に必要なカロリーが異なります。愛犬が1日に必要なカロリーを把握することで、おやつや食事の量を適切にコントロールしてあげましょう。
▼愛犬の1日に必要なカロリーを知るには下記記事がオススメです。
豚肉を与える際の注意点
・子犬やシニア犬
・豚肉アレルギーがある犬
・よく加熱する
・豚肉を与える量
まとめ
・豚肉は与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。よく加熱し適量を与えましょう。
・豚肉には犬の健康に良い栄養素を多く含むオススメの食材です。ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラミン)、ビタミンB3(ナイアシン)、動物性たんぱく質といった栄養素を含みます。
・豚肉に多く含まれる脂質や不十分な加熱により下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。
・豚肉を与える際は、子犬やシニア犬、豚肉アレルギーがある犬、調理方法、与える量には気をつけましょう。