キャベツはビタミンやミネラル、食物繊維などを多く含み、犬にとって体に良い野菜です。しかし、キャベツには食物繊維を多く含むため下痢や軟便になるのでは?と考えている方もいらっしゃるかと思います。
むしろキャベツは不溶性食物繊維を比較的多く含むため、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性があります。この記事ではキャベツの正しい与え方や注意事項についてもまとめました。
そもそも犬はキャベツを食べられる?
キャベツは与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。芯は消化に悪く、外側の葉っぱは農薬が付いている可能性があり下痢や嘔吐の原因になるため、与える際はしっかり取り除きましょう。
また、生で与える場合は、食べやすいように細かくカットしてあげましょう。
そもそも犬はキャベツを食べられる?
・キャベツは犬に与えても問題なし。
・芯や外側の葉っぱは下痢や嘔吐の原因になるため、与えてはいけない。
・生で与える場合は、食べやすいように細かくカット。
キャベツの犬に対する有効成分と効能
キャベツはビタミンや食物繊維を豊富に多く含み犬にとって健康に良い野菜です。ここではキャベツ(生)の栄養成分とその効果についてまとめています。
100g中に含まれる食品成分(文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより)
エネルギー | 21kcal |
水分 | 92.7g |
タンパク質 | 1.3g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 5.2g |
灰分 | 0.5g |
ビタミンU(キャベジン)
ビタミンUは胃腸の粘膜保護の働きが期待できるビタミンです。レタスやパセリにも多く含まれ、熱に弱いため加熱することで壊れにくいビタミンでもあります。
ビタミンC(アスコルビン酸)
ビタミンCはビタミンの中でも強い抗酸化作用を持ち、免疫力を維持する働きが期待できます。また、犬の皮膚や関節に重要な成分であるコラーゲンとの関わりが強いと言われており、皮膚や関節の健康維持も期待されています。
カルシウム
骨の発育と維持のために重要な栄養素です。リンと密接に関係しているため、バランスよく摂取することが大切です。また、カルシウムは過剰も欠乏も尿路結石症のリスクを高めるため注意が必要です。
カリウム
カリウムは神経系の働きに重要な役割を持つミネラルです。過剰なナトリウム(塩分)を体外へ排出することで、血圧を安定させる効果もあります。
食物繊維
食物繊維は腸内で善玉菌のエサになることで腸内環境を整える効果があります。食物繊維は不溶性と水溶性がありますが、キャベツに含まれる水溶性食物繊維は糖質の吸収をゆるやかにすることで、食後の血糖値上昇を抑えます。
キャベツの栄養素
・ビタミンU(キャベジン)
・ビタミンC(アスコルビン酸)
・カルシウム
・カリウム
・食物繊維
犬にキャベツを与えると下痢になる?
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。キャベツ100gには0.4gの水溶性食物繊維と1.4gの不溶性食物繊維が含まれています。
水溶性食物繊維は体内で水に溶けてゲル状になり便を柔らかくします。そのため、水溶性食物繊維を摂りすぎると下痢になりやすいです。
一方で、不溶性食物繊維は、便の量を増やして大腸を刺激することで排便を促します。そのため、不溶性食物繊維を摂りすぎると便秘になりやすいです。
キャベツは不溶性食物繊維を比較的多く含むため、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性があります。しかし、普段から軟便の犬には便の硬さを整えるという意味で与えても良いでしょう。
犬に対する不溶性食物繊維の働きは?
不溶性食物繊維も多く含むキャベツですが、犬は草食動物のように発酵槽を持たないため、不溶性食物繊維はすぐに大腸を通過してしまい、善玉菌のエサとなることで腸内環境を整える効果は発揮し難いと言われています(※)。
※ 石岡 克己 (2021) “犬と猫における消化器疾患と栄養”
犬にキャベツを与えると下痢になる?
・キャベツには不溶性食物繊維が比較的多く含まれている。
・キャベツに含まれる不溶性食物繊維は、便の量を増やして大腸を刺激することで排便を促す。
・不溶性食物繊維は、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性がある。
犬にキャベツを与える際の注意点
腎臓や心臓に疾患がある犬
キャベツは野菜の中でもカリウムを豊富に含んでいます。愛犬の腎臓機能に疾患があるとキャベツに含まれるカリウムが溜まりやすくなり、不整脈など心臓に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、愛犬に腎臓や心臓に疾患がある場合は注意しましょう。
尿路結石症の犬
キャベツにはシュウ酸が多く含まれます。シュウ酸はカルシウムと結合することでシュウ酸カルシウムとなり、結晶化してしまうと尿路尿石症に繋がります。
尿路結石症になると、腎臓や尿管など尿の通り道で痛みが生じ、上手く尿を排泄できなくなります。そのため、既に尿路結石症である犬や疑いがある犬は、キャベツは極力避けてあげた方が良いです。
甲状腺機能低下症の犬
キャベツにはゴイトロゲンという成分が含まれています。ゴイトロゲンは甲状腺ホルモンの分泌を妨げる成分であるため、既に甲状腺機能低下症である犬には与えない方が良いでしょう。
冷やし過ぎない
特にお腹の弱い犬に注意して頂きたいのが、冷やし過ぎないことです。冷えた食べ物は犬にとって胃腸の負担となるため、下痢の原因になります。温度は出来るだけ常温に近づけてから食べさせてください。
キャベツを与える量
キャベツは100gあた約21kcalのエネルギーを含みます。低カロリーではありますが、与えすぎることでカロリー過多とならないように注意しましょう。
犬は体型や活動量など、個体によって1日に必要なカロリーが異なります。愛犬が1日に必要なカロリーを把握することで、おやつや食事の量を適切にコントロールしてあげましょう。
▼愛犬の1日に必要なカロリーを知るには下記記事がオススメです。
キャベツを与える際の注意点
・腎臓や心臓に疾患がある犬
・尿路結石症の犬
・甲状腺機能低下症の犬
・冷やしすぎない
・キャベツを与える量
まとめ
・キャベツは与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。芯や外側の葉っぱは取り除きましょう。
・キャベツには犬の健康に良い栄養素を多く含むオススメの野菜です。ビタミンU(キャベジン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、カルシウム、カリウム、食物繊維といった栄養素を含みます。
・キャベツは不溶性食物繊維を比較的多く含むため、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性があります。
・キャベツを与える際は、腎臓や心臓に疾患がある犬、尿路結石症の犬、甲状腺機能低下症の犬、冷やしすぎない、キャベツを与える量には気をつけましょう。