とうもろこしはビタミンB群や食物繊維を多く含む野菜です。しかし、ともろこしは食物繊維を多く含むため下痢や軟便になるのでは?と考えている方もいらっしゃるかと思います。
むしろとうもろこしは不溶性食物繊維をとても多く含むため、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性があります。この記事ではとうもろこしの正しい与え方や注意事項についてもまとめました。
そもそも犬はとうもろこしを食べられる?
とうもろこしは与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。とうもろこしは生のまま与えると、消化に悪く下痢や嘔吐の原因になるため、必ず茹でてから与えてください。
また、とうもろこしの芯は誤飲する恐れがあるため、取り除いてから与えて下さい。
そもそも犬はとうもろこしを食べられる?
・とうもろこしは犬に与えても問題なし。
・生のままは消化に悪いため、必ず加熱して与える。
・とうもろこしの芯は誤飲する恐れがあるため、取り除く。
とうもろこしの犬に対する有効成分と効能
とうもろこしはビタミンB群や食物繊維を豊富に多く含み犬にとって健康に良い野菜です。ここではとうもろこし(ゆで)の栄養成分とその効果についてまとめています。
100g中に含まれる食品成分(文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより)
エネルギー | 95kcal |
水分 | 75.4g |
タンパク質 | 3.5g |
脂質 | 1.7g |
炭水化物 | 18.6g |
灰分 | 0.8g |
ビタミンB1(チアミン)
ビタミンB1はアセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質の合成と関係があると言われており、神経系の機能を正常に保つために必要な栄養素です。
ビタミンB2(リボフラミン)
ビタミンB2は、皮膚の健康維持や被毛の質を高めることが期待できます。また、欠乏すると皮膚や被毛が乾燥し、光線過敏症を起こすこともありますので注意が必要です。
ビタミンB9(葉酸)
ビタミンB9は、細胞の形成を助けたり、胎児の発育に役立つ働きをします。血液を作る働きにも関与しており、不足すると貧血などを起こす恐れがあります。
カリウム
カリウムは神経系の働きに重要な役割を持つミネラルです。過剰なナトリウム(塩分)を体外へ排出することで、血圧を安定させる効果もあります。
食物繊維
食物繊維は腸内で善玉菌のエサになることで腸内環境を整える効果があります。食物繊維は不溶性と水溶性がありますが、とうもろこしに含まれる水溶性食物繊維は糖質の吸収をゆるやかにすることで、食後の血糖値上昇を抑えます。
とうもろこしの栄養素
・ビタミンB1(チアミン)
・ビタミンB2(リボフラミン)
・ビタミンB9(葉酸)
・カリウム
・食物繊維
犬にとうもろこしを与えると下痢になる?
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。とうもろこし100gには0.3gの水溶性食物繊維と2.7gの不溶性食物繊維が含まれています。
水溶性食物繊維は体内で水に溶けてゲル状になり便を柔らかくします。そのため、水溶性食物繊維を摂りすぎると下痢になりやすいです。
一方で、不溶性食物繊維は、便の量を増やして大腸を刺激することで排便を促します。そのため、不溶性食物繊維を摂りすぎると便秘になりやすいです。
とうもろこしは不溶性食物繊維をとても多く含むため、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性があります。しかし、普段から軟便の犬には便の硬さを整えるという意味で与えても良いでしょう。
犬に対する不溶性食物繊維の働きは?
不溶性食物繊維も多く含むとうもろこしですが、犬は草食動物のように発酵槽を持たないため、不溶性食物繊維はすぐに大腸を通過してしまい、善玉菌のエサとなることで腸内環境を整える効果は発揮し難いと言われています(※)。
※ 石岡 克己 (2021) “犬と猫における消化器疾患と栄養”
犬にとうもろこしを与えると下痢になる?
・とうもろこしには不溶性食物繊維が比較的多く含まれている。
・とうもろこしに含まれる不溶性食物繊維は、便の量を増やして大腸を刺激することで排便を促す。
・不溶性食物繊維は、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性がある。
犬にとうもろこしを与える際の注意点
腎臓や心臓に疾患がある犬
とうもろこしは野菜の中でもカリウムを豊富に含んでいます。愛犬の腎臓機能に疾患があるととうもろこしに含まれるカリウムが溜まりやすくなり、不整脈など心臓に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、愛犬に腎臓や心臓に疾患がある場合は注意しましょう。
とうもろこしアレルギーの犬
とうもろこしはアレルギー報告が比較的多い野菜です。アレルギー症状としては、皮膚の痒みや下痢、嘔吐などが挙げられます。初めて与える際は、少量のみ与えて様子を見てあげて下さい。
消化不良による下痢や嘔吐
先述の通り、生のとうもろこしは消化に悪いため下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。必ず茹でで加熱してあげることをおすすめします。
加熱後はやけどの恐れがあるため、常温になるまでしっかりと冷ましてあげて下さい。また、芯は誤飲の恐れがあるため取り除いてから与えてください。
とうもろこしを与える量
とうもろこしは100gあた約95kcalのエネルギーを含みます。野菜の中では比較的高カロリーであるため、与える量は愛犬に合わせて調節しましょう。
犬は体型や活動量など、個体によって1日に必要なカロリーが異なります。愛犬が1日に必要なカロリーを把握することで、おやつや食事の量を適切にコントロールしてあげましょう。
▼愛犬の1日に必要なカロリーを知るには下記記事がオススメです。
とうもろこしを与える際の注意点
・腎臓や心臓に疾患がある犬
・とうもろこしアレルギーの犬
・消化不良による下痢や嘔吐
・とうもろこしを与える量
まとめ
・とうもろこしは与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。生のままは消化に悪いため、必ず加熱して与えましょう。
・とうもろこしには犬の健康に良い栄養素を多く含むオススメの野菜です。ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラミン)、ビタミンB9(葉酸)、カリウム、食物繊維といった栄養素を含みます。
・とうもろこしは不溶性食物繊維をとても多く含むため、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性があります。
・とうもろこしを与える際は、腎臓や心臓に疾患がある犬、とうもろこしアレルギーの犬、消化不良による下痢や嘔吐、とうもろこしを与える量には気をつけましょう。