犬の食事やおやつ選びにおいて、飼い主さんの多くは健康面を考慮した商品を選ぶことを重視しています。そんな中で、人間用の食品である「かつおぶし(削り節)」を犬のおやつや普段のフードのふりかけとして利用したい方も多いと思います。
かつおぶしは美味しく、人にとっても犬にとっても喜ばれることが多い一方で、その塩分含有量が気になります。また、人間用で販売されているかつおぶしの商品とは別に、犬用のかつおぶしの商品もあるので何が違うのでしょうか?
そこで、本記事では人間用のかつおぶし(削り節)を犬に与えることのメリットとデメリット、適切な摂取量や注意点について詳しく解説します。
犬と塩分(ナトリウム)
犬も人間と同じく、体を正常に機能させるために塩分を摂取する必要があります。
しかし、摂取量が多すぎると、高血圧や腎疾患などの健康リスクを引き起こすことがあります。一般的に、成犬の場合、1kg体重あたり1日0.5gの塩分を摂取することが適切とされています。
この量は全体の食事から摂取されるべきですから、おやつとして与える削り節から摂取する塩分も含めて計算する必要があります。
犬の食事における塩分は、主にナトリウムの形で摂取されます。ナトリウムを塩に変換する場合は、以下の計算式を使用します。
犬の体重から1日に必要なナトリウム量を計算
・愛犬の体重(kg)×ナトリウム推奨値(50mg)=1日に必要なナトリウム量(mg)
ナトリウムから1日に必要な塩に変換
・1日に必要なナトリウム量(mg)×2.54÷1000=1日に必要な塩分量(g)
例えば、上記の計算式を利用して、体重が6kgある犬の1日に必要な塩分量を計算してみます。
1日に必要なナトリウム量は、6kg × 50mg = 300mg
1日に必要な塩分量は、300mg × 2.54 ÷ 1000 = 0.76g
体重が6kgある犬の1日に必要な塩分量は 計算式から、0.76g = 760mg と出ましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
かつおぶしと塩分
人間用のかつおぶし(削り節)には塩分が含まれていますが、その量は商品により異なります。例えば、スーパーなどで見かける使い切りの小パックのかつおぶし(削り節)で考えます。
1パックの内容量は商品によりますが、2,3gのものをよく見かけますので、2gとした場合には、かつおぶしにおける塩分含有量が0.01g(10mg)とありましたので、これは犬の1日の塩分摂取適量を大きく超える量ではありません。
しかし、犬の食事全体での塩分摂取量を考慮に入れる必要があります。主食や他のおやつからも塩分が摂取されるため、それら全体の塩分摂取量が1日の適量を超えないように注意しましょう。
かつおぶしと栄養素
かつおぶし(削り節)は、魚の良質なタンパク質やビタミンB群など、多くの栄養素を含んでいます。また例えば、2gの小パックの削り節には約1.6gのタンパク質が含まれています。
犬もまた、健康を維持するためにはタンパク質を十分に摂取する必要があります。体重10kgの成犬の場合、1日に約25gのタンパク質が必要とされています。この量を考えると、かつおぶしから摂取するタンパク質量も無視できません。
しかしながら、タンパク質も摂取量には注意が必要です。過剰に摂取すると肝臓や腎臓に負担をかける可能性があります。主食や他のおやつから摂取するタンパク質量も考慮に入れて、適量を調整しましょう。
また、腎臓病や心臓病など持病のある犬はその他の栄養成分を制限する必要があることが多いので注意が必要です。
一般的なかつおぶしのその他の成分値は以下ですので、塩分以外を気にする方は参考にしてみてください。
かつおぶしの栄養成分(100g当たり)
エネルギー | 332kcal |
たんぱく質 | 77.1g |
脂質 | 2.9g |
炭水化物 | 0.8g |
灰分 | 4.0g |
食塩相当量 | 0.3g |
ナトリウム | 130mg |
カリウム | 940mg |
カルシウム | 28mg |
マグネシウム | 70mg |
リン | 790mg |
人間用の削り節と犬用の削り節の違い
人間用の削り節と犬用の削り節は、基本的には同じ原料の鰹から作られています。
原材料の品質
人間用の削り節と犬用の削り節は同じ鰹を原料を使用しており、 犬用も衛生面や安全性も人間が食べる基準で作っているところが多いのでさほど違いはないと言えます。
塩分含有量
人間用のかつおぶし(削り節)は風味を引き立てるために塩分が含まれていることがありますが、犬用のかつおぶしでは、犬の健康を考慮して塩分を控えめにするか、全く含まない製品も多くあります。
犬の塩分は普段の食事のみで与えたい方は、塩分を含まないかつおぶしの商品が良いでしょう。
添加物
人間用の削り節ようなかつおぶしや犬用のかつおぶしの原料は、鰹だけでつくられており、添加物入っておりませんので気にしなくて良いでしょう。
ただし、味付したかつおぶしや加工したかつおぶし、顆粒だしは、調味料が入っているので犬には与えないでください。
人間用の削り節と犬用の削り節の違いは?
・原材料の品質:人間用の削り節と犬用の削り節は同じ鰹を原料を使用している
・塩分含有量:犬用のかつおぶしは、減塩もしくは全く含まない製品も多い
・添加物:削り節ようなかつおぶしには、添加物入っていない。人間用の味付/加工したかつおぶしや調味料には入っているので犬に与えるのは注意
人間用の削り節と犬用の削り節の違い
ここまでの情報を考慮に入れると、人間用の削り節を犬に与えること自体に問題はないと言えます。塩分含有量やタンパク質
含有量を確認し、犬の体重に合わせた適切な摂取量を守ることが重要です。しかし、飼い主としては以下の点に注意してください。
塩分含有量と犬の健康状態
削り節の塩分含有量を確認し、犬が適切な量の塩分を摂取するようにします。特に、腎疾患や高血圧を抱える犬は、塩分の摂取量を厳しく制限する必要があります。
削り節を与える量
削り節はおやつやふりかけとして与えるもので、主食の代わりにはなりません。おやつとして与える量は、全体の食事量の10%以下が目安とされています。
削り節に含まれる添加物
人間用の削り節には、保存料や着色料などの添加物が含まれていることがあります。添加物にアレルギー反応を示す犬もいますので、注意が必要です。
まとめ
人間用のかつおぶし(削り節)は、適量を与え、塩分含有量を確認しながら犬に与えると、犬の食事に美味しさと栄養を加えることができます。
また、普段の食事以外からの塩分が気になる方は、犬用のかつおぶしや塩分を含まないかつおぶしを選ぶのがおすすめです。
愛犬の健康ケアには「お口のふりかけ」
手間のかかるお口のケアが『削るだけで、簡単!』
・普段のごはんと一緒によく噛んで食べることで、歯垢・口臭を軽減!
・粒を専用ミルにいれて2~3回擦りながら、ごはんにかけるだけで手間いらず。
・1日55円からはじめられる!
まとめ
・犬の肝臓にとって適切な食事として、鶏肉、野菜、玄米、鮭、魚介類全般、低脂肪の乳製品が挙げられます。
・一方で、犬の肝臓にとって適切ではない食事として、高脂肪な食品、塩分の多い食品が挙げられます。
・適切な食事以外にも、定期的な健康診断、適切な運動、毒物の防止、ストレスの軽減を意識すると良いでしょう。