topet編集部
私たちの愛猫が年を取るにつれ、その行動や様子に変化が見られることがあります。これは猫の認知症のサインかもしれません。本記事では、猫の認知症が猫の余命に与える影響や、認知症を示す行動・仕草のサインについて詳しく解説します。
猫の認知症とは?
猫の認知症、または猫の認知機能障害は、人間のアルツハイマー病や老人性認知症に似た症状を示す、猫の脳の老化現象です。この症状は、猫が高齢になると特に見られることが増え、脳の一部が萎縮することにより、さまざまな行動や物理的な変化が現れます。
原因
猫の認知症の主な原因は、脳の老化によるものです。猫の脳も人間と同じように、年齢と共に神経細胞の数が減少することが知られています。その結果、神経の伝達がスムーズでなくなり、認知症の症状が現れるようになります。
症状の変化
最初は軽微な行動の変化から始まります。たとえば、昼夜逆転やわずかな興奮状態などが見られることがあります。しかし、時間が経つにつれ、忘れることが増え、知っているはずの場所で迷子になる、長時間同じ場所を見つめる、過度に鳴き続けるなど、さまざまな行動の変化が顕著になります。
診断の難しさ
猫の認知症は、他の病気や健康問題と症状が似ていることが多いため、診断が難しい場合があります。例えば、尿路感染症や腎臓の問題も、トイレの失敗や夜間の鳴き声という症状を引き起こすことがあります。そのため、高齢の猫に異常な症状が見られた場合、まず獣医師の診察を受けることが重要です。
影響
認知症自体は命に直接的な影響はありませんが、猫の日常生活の質が低下します。猫は環境やルーチンを変えることを嫌う動物であるため、その変化や混乱はストレスを感じる原因となります。このストレスは、体調の不調や他の病気の原因となる可能性もあります。
認知症のサイン:行動や仕草
認知症の猫は以下のような行動や仕草を示すことが多いです。
- トイレの場所を間違える
- 夜中に鳴き続ける、もしくは過度に鳴く
- 無目的に徘徊する
- かつて好きだったものや活動に興味を示さなくなる
- 飼い主や家族に対して警戒心や攻撃的な態度を見せる
認知症を示す可能性のある行動がその他にもたくさんあります。
猫が見せる認知症の行動について、以下のYouTube動画でも詳しく解説しておりますのでご参照ください。
猫の認知症と余命の関係性
認知症自体が猫の余命を短縮する疾患ではありません。しかし、認知症の進行により基本的な生活活動が困難になれば、その他の健康問題が発生するリスクも増えます。
例えば、食事や水分摂取の減少、トイレトラブルなどが続くと、それに伴う健康問題が生じることが考えられます。
また、認知症は現在の治療では、治る病気ではありませんので、長期間介護していく必要があります。
ちなみに一般社団法人ペットフード協会による全国犬猫飼育実態調査では、日本で飼育されている猫の平均寿命は令和4年(2022年)で15.62歳と報告されており、人間でいう約76~80歳だと言われています。
予防とケア
猫の認知症は、予防と早期対応によって症状の進行を遅らせたり、猫の生活の質を高めたりすることができます。以下は、認知症の予防とケアにおける主要なポイントと対策です。
バランスの良い食事
猫の食事から摂取する栄養素のバランスはとても大切です。とくにオメガ3脂肪酸、ビタミンE、ビタミンCなどの抗酸化物質が含まれる食事は、脳の健康をサポートします。
また一部のペットフードでは、認知症の猫向けの特別な食事も提供しています。これらは脳の健康や認知機能のサポートを目的としています。
定期的な運動
日常的な運動は猫の心臓や筋肉、関節を健康に保ち、脳への血流を良くする助けになります。また、猫を物理的に活発にさせることは、その脳の活性化にも繋がります。猫用のおもちゃや遊びを取り入れることで、猫の好奇心を刺激し、脳を活性化させます。
メンタルケア
新しいおもちゃや環境の変更、異なる音や香りなど、新しい刺激は猫の脳を活発にします。あるいは、シンプルなコマンドやトリックを学ばせることも、脳の健康をサポートする手段の一つです。
猫は犬よりも独立心が強く社交性もそれほどありません。犬のようにほめられることもそれほど好きではありません。しかし、猫は非常に知能が高い動物なため、さまざまな行動や芸を覚える能力も備えています。
安定した環境
猫は日常のルーチンを好む動物です。毎日同じ時間に食事や遊び、休憩を取ることで、猫の安心感や安定感を保つことができます。
また、猫には安全で静かな休息の場所を提供することが重要です。特に、外の騒音や家族の活動から離れた場所を確保してください。
定期的な健康チェック
認知症の早期発見は、症状の進行を遅らせるために非常に重要です。定期的な獣医の診察を受けることで、他の健康問題も同時にチェックできます。猫の普段の行動や仕草から認知症のサインを感じた際は、まずはかかりつけの動物病院で一度検査をすることをおすすめします。
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まとめ
・猫の認知症とは人間のアルツハイマー病や老人性認知症に似た症状で、脳の老化現象による行動や物理的変化が現れます。
・猫の認知症には行動や仕草に様々なサインが出ます。
・認知症自体は命に直接的な影響はないが、生活の質が低下し認知症による行動変化や混乱が他の健康問題の原因となる可能性があります。
・バランスの良い食事と栄養の摂取、日常的な運動と脳の活性化、環境の安定と日常ルーチンの確保と定期的な健康チェックと早期発見など猫の認知症のための予防とケアが大切です。
・猫の変化やニーズに適切に対応し、豊かな共生を目指しましょう。