猫の涙やけは、目の周りの毛が涙の影響で変色する現象を指します。涙やけは猫の見た目を損ねるだけでなく、背後に健康上の問題が隠れていることもあります。
食事についても涙やけの原因や予防に大きな役割を果たすことが知られています。この記事では、猫の涙やけを消す方法を探している方や、治したいと感じている方に向けてその対処法と、食事が猫の健康や涙やけに与える影響についてペット栄養管理士が詳しく解説します。
涙やけの主な原因
涙やけは、目に留まっているべき涙が目から溢れ出てしまう「流涙症」が原因です。溢れ出た涙で目の下や周りの毛が濡れます。その涙に含まれるタンパク質やミネラルによって毛が変色します。これを「涙やけ」といいます。この涙やけの原因である「流涙症」がなぜ起きるかは、大きく分けて以下の3つに分類することができます。
涙の生産量が多くなる
眼に細かいゴミが入っている場合や、逆さまつ毛などの刺激物により角膜が刺激されると涙の量が多くなり、涙があふれてしまいます。
涙の流れの経路が詰まってしまう
炎症や感染症などにより、涙管が細くなったり閉塞したりする場合もあります。また生まれつき、涙管が開通していないこともあります。その場合は、涙が鼻に抜けていかず目から流れる状態になります。
涙の保持がうまくできない
目の周りの筋肉が発達していない子猫や、逆に衰えているシニアなどは涙を保持できない場合があります。
涙やけは、目に留まっているべき涙が目から溢れ出てしまう「流涙症」が原因
・涙の生産量が多くなる
・涙の流れの経路が詰まってしまう
・涙の保持がうまくできない
涙やけと食事の深い関係
猫が普段から食べる食事によっても、猫の涙の量が変わったり、食事の影響で涙の成分もドロドロすることで涙管を詰まり涙が溢れてしまうことで、涙やけになることがあります。
バランスのとれた食事が大切
肌や毛、そして涙の健康は食事のバランスから直接影響を受けます。特にタンパク質やビタミン、ミネラルのバランスはとても重要です。
食べ物の添加物や油の酸化、過剰な高タンパクや高カロリーな食べ物の摂取によって涙が出たり、涙管を詰まらせる原因となることがあります。
食物アレルギーの影響
花粉症、ハウスダストなどのアレルギーや、食材へのアレルギーが涙やけを悪化させることがあります。アレルギーによって引き起こされる鼻炎や目が結膜炎になることで涙が多く出ることがあるでしょう。食べ物でアレルギーの疑いがある場合が、食事の見直しが必要です。
涙やけと食事の深い関係
・バランスのとれた食事が大切
・食物アレルギーの影響
涙やけの予防について
涙やけの対策や治療はその原因ごとに異なります。その原因を特定するために、動物病院で診ていただくことも大事ですが、飼い主さんが自宅でできる普段からのケアによっても、目の周りを清潔に状態を保ち涙やけを予防することができます。
シャンプーをする
涙やけの部分は湿りやすく、菌が繁殖しやすい環境となります。定期的にシャンプーをして清潔に保つことで、涙やけ予防効果が期待できます。ただし、猫のストレスにならないように目にシャンプーが入らないよう注意し、猫用の優しいシャンプーを選ぶことが重要です。
こまめに拭き取る
猫の目の周りにたまる涙や汚れをこまめに柔らかい布や専用のクリーナーで拭き取ることで、涙やけの原因となる汚れを予防します。また、ホウ酸水を作り目元を洗浄する方法もあり、殺菌効果が期待できます。特に朝や夜の日課として行うと効果的です。
マッサージをする
目の周りのマッサージは、血行が良くなることで涙の流れを良くし、涙やけの若干の改善につながることがあります。指の腹を使い、やさしく目の下から外側へとマッサージを行いましょう。マッサージを行うことで、猫のストレス緩和にも効果があります。
食事の見直し
猫の食事は涙やけに影響します。特にアレルギーの原因となる食材や添加物を含む食事は避けるよう心がけ、バランスの取れた食事を提供することが重要です。また、猫の健康や涙やけに良いとされるフードやサプリメントの摂取も検討してみましょう。
動物病院に診てもらう
涙やけの原因は一つではありません。目の異常やアレルギー、他の健康問題が原因となる場合も考えられます。そのため、涙やけの原因を知りたい場合や涙やけがひどい、または改善しない場合は、早めに動物病院で診てもらうことをおすすめします。
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まとめ
・猫の涙やけを予防・改善するには、日々のケアと食事の管理が不可欠です。
・涙やけが気になる飼い主さんは、食事のバランスを見直すことも大切です。
・飼い主さんが自宅でできる普段からのケアによっても、目の周りを清潔に状態を保ち涙やけを予防することができます。
・涙やけがひどいや改善しない場合は、早めに動物病院で診てもらうことをおすすめします。