猫が1日に与えるべき必要量はキャットフードのパッケージに記載されていますが、食事の回数まで指定されていないかと思います。実際に獣医師に尋ねても猫の食事回数にはこだわらなくて良いといった声を多く聞きます。
そこで今日は、猫の食事回数を分けるメリットと猫の食事回数に関するカナダのゲルフ大学の研究をまとめました。興味深い結果が出ていますので是非チェックしてみて下さい。
猫の食事の回数を決めるポイントは?
飼い猫の食性
猫と暮らしている方ならご存知の通り、猫は1度に大量の食事をしません。そのため、1日に食事回数は自ら分けて食べているかと思います。
この点は犬と大きく異なり、飼い猫の食性に合わせて食べたい時に食べたい量を与えてあげることが大切です。ただし、肥満を防止するために、1日の必要カロリーは意識してあげましょう。
キャットフードの品質維持
「猫が食べたい時に食べたい量を与えてあげるなら、キャットフードは1日分を容器に盛ってあげたら良いか?」と考えがちですが、品質劣化という点で良くありません。キャットフードでは基本的に酸化防止剤が使われていますが、それでも長時間空気にさらしておくと品質は劣化していきます。
風味が落ちて食いつきが悪くなることはもちろん、湿度や気温が高い時期などは品質が大きく損なうことで下痢や嘔吐の原因にもなります。そう言った意味では食事を与える回数は分けてあげると良いです。
猫の食事の回数を決めるポイント
・飼い猫の食性
・キャットフードの品質維持
猫の食事回数に関する研究
ゲルフ大学の研究チームでは、猫に対して食事回数を分けるべきだと裏付けるデータは殆どないため、猫に適切な食事回数について研究を行っています。
※”Feed indoor cats once a day, says new research from University of Guelph“
研究方法
下記の条件で2つのグループ間で変化が見られるかを研究
・5歳以下の屋内飼い猫8匹 (健康な体重)
・3週間に渡って、朝に1回食べるグループと4回に食事回数を分けるグループで実施 (食べる量は同一)
・食物摂取量、体重、代謝を毎日計測
研究結果
1日1回だけ与えたグループの方が満腹感を感じやすく、より多くの脂肪を燃焼することがわかりました。更に、満腹による満足感が高いため、食事を欲しがる行動が少なくなる可能性も示唆しています。
満腹感
1日1回食べたグループの食欲調節ホルモンのレベルが高いことがわかりました。つまり、そのグループがより満腹に感じていることを示唆しています。
脂肪燃焼
1日1回食べたグループのがより多くの脂肪を燃焼していることがわかりました。これは除脂肪体重の維持にも役立ちます。
猫の食事の回数に関する研究結果
・食事回数を分けずに1日1回与えた猫の方が満腹感を感じていた。
・食事回数を分けずに1日1回与えた猫の方が多くの脂肪を燃焼していた。
猫の食事回数は1日複数回が良い?1日1回が良い?
まず、猫の食性とキャットフードの品質という点から、食事回数は分けるべきというお話をしました。一方で猫の食事回数に関する研究では1日1回が満腹感や脂肪燃焼に良いという結論を出していました。
しかし、満腹感や脂肪燃焼に良いという理由だけでは、食事回数を1日1回にすべきであるとは言えないです。やはり、猫の食性から1度に1日に必要なカロリー摂取量を食べることはしないため、食べきれずにキャットフードの品質劣化を招く恐れがあるためです。
与える食事の回数を分けられない場合
普段仕事で外出などしている方は、どうしても食事を与える回数を分けることはできないかと思います。そんな方には自動給餌器など、一定の周期で決めた量を与える製品を検討してみると良いでしょう。
決められた時間周期で自動給餌器からキャットフードが出てくるため、キャットフードの品質劣化を抑え、猫が食べたいときに与えることができます。
・研究結果の満腹感や脂肪燃焼に良いという理由だけでは、1日1回の根拠としては弱いです。
・1日に食事回数を分けられない場合は、自動給餌器を検討しましょう。
具体的に猫の食事回数は何回が適切?
これまでの説明から、1日複数回に分けて与えてるべきだと解説してきましたが、具体的に何回に分けるべきでしょうか?
基本的には1日2〜3回を目安に与えると良いです。仔猫やシニアの場合は消化器が弱いため3〜5回に分けてあげると良いでしょう。
また、1日に与えるカロリーを誤ると肥満の原因にもなりますので、必ず飼い猫が必要なカロリー量を計算して必要分のみ与えてあげましょう。カロリー計算方法に関しては下記の記事で詳しく説明しています。
猫の食事回数の目安
・基本的には1日2〜3回
・仔猫やシニアは3〜5回
まとめ
・猫の食事回数を分けるメリットと猫の食事回数に関するカナダのゲルフ大学の研究をまとめました
・猫は本来1度に大量の食事をとらず食事回数を分ける傾向があります。また、1日分を1度に容器に盛り付けると品質劣化の恐れがあるため、キャットフードを与える際は分けて与えると良いです。
・カナダのゲルフ大学の研究では、食事回数を1日1食にすると満腹感や脂肪燃焼に良いという結論が出ましたが、満腹感や脂肪燃焼という点だけで食事回数を1回にすることは、キャットフードの品質劣化という点で良いとは言えません。
・目安として1日2〜3回。仔猫やシニアは1日3〜5回に分けて与えてあげると良いでしょう。