白菜はビタミンや食物繊維などを含むだけではなく、水分量が多いため水分補給にも適しています。しかし、白菜には食物繊維を多く含むため下痢や軟便になるのでは?と考えている方もいらっしゃるかと思います。
むしろ白菜は不溶性食物繊維を比較的多く含むため、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性があります。この記事では白菜の正しい与え方や注意事項についてもまとめました。
そもそも犬は白菜を食べられる?
白菜は与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。生の白菜は消化に悪く、多く与えると下痢や嘔吐の原因になるため、極力加熱して与えてあげましょう。
また、喉に詰まらせないように、食べやすく細かくカットしてあげましょう。
そもそも犬は白菜を食べられる?
・白菜は犬に与えても問題なし。
・生のままは消化に悪いため、極力加熱して与える。
・食べやすいように細かくカット。
白菜の犬に対する有効成分と効能
白菜はビタミンや食物繊維を豊富に多く含み犬にとって健康に良い野菜です。ここでは白菜(生)の栄養成分とその効果についてまとめています。
100g中に含まれる食品成分(文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより)
エネルギー | 12kcal |
水分 | 93.9g |
タンパク質 | 1.3g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 2.6g |
灰分 | 1.8g |
β-カロテン
βカロテンは犬の体内でビタミンAに変換され、視力や皮膚・粘膜の健康を維持します。 また、抗酸化作用を持つため免疫力を維持する働きも期待できます。
ビタミンC(アスコルビン酸)
ビタミンCはビタミンの中でも強い抗酸化作用を持ち、免疫力を維持する働きが期待できます。また、犬の皮膚や関節に重要な成分であるコラーゲンとの関わりが強いと言われており、皮膚や関節の健康維持も期待されています。
ビタミンK
ビタミンKは、レバーなどに多く含まれ、血液凝固の役割を持ちます。また、骨の形成にも関与するビタミンです。
カリウム
カリウムは神経系の働きに重要な役割を持つミネラルです。過剰なナトリウム(塩分)を体外へ排出することで、血圧を安定させる効果もあります。
食物繊維
食物繊維は腸内で善玉菌のエサになることで腸内環境を整える効果があります。食物繊維は不溶性と水溶性がありますが、白菜に含まれる水溶性食物繊維は糖質の吸収をゆるやかにすることで、食後の血糖値上昇を抑えます。
白菜の栄養素
・βカロテン
・ビタミンC(アスコルビン酸)
・ビタミンK
・カリウム
・食物繊維
犬に白菜を与えると下痢になる?
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。白菜100gには0.3gの水溶性食物繊維と1.0gの不溶性食物繊維が含まれています。
水溶性食物繊維は体内で水に溶けてゲル状になり便を柔らかくします。そのため、水溶性食物繊維を摂りすぎると下痢になりやすいです。
一方で、不溶性食物繊維は、便の量を増やして大腸を刺激することで排便を促します。そのため、不溶性食物繊維を摂りすぎると便秘になりやすいです。
白菜は不溶性食物繊維を比較的多く含むため、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性があります。しかし、普段から軟便の犬には便の硬さを整えるという意味で与えても良いでしょう。
犬に対する不溶性食物繊維の働きは?
不溶性食物繊維も多く含む白菜ですが、犬は草食動物のように発酵槽を持たないため、不溶性食物繊維はすぐに大腸を通過してしまい、善玉菌のエサとなることで腸内環境を整える効果は発揮し難いと言われています(※)。
※ 石岡 克己 (2021) “犬と猫における消化器疾患と栄養”
犬に白菜を与えると下痢になる?
・白菜には不溶性食物繊維が比較的多く含まれている。
・白菜に含まれる不溶性食物繊維は、便の量を増やして大腸を刺激することで排便を促す。
・不溶性食物繊維は、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性がある。
犬に白菜を与える際の注意点
腎臓や心臓に疾患がある犬
白菜は野菜の中でもカリウムを豊富に含んでいます。愛犬の腎臓機能に疾患があると白菜に含まれるカリウムが溜まりやすくなり、不整脈など心臓に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、愛犬に腎臓や心臓に疾患がある場合は注意しましょう。
甲状腺機能低下症の犬
白菜にはゴイトロゲンという成分が含まれています。ゴイトロゲンは甲状腺ホルモンの分泌を妨げる成分であるため、既に甲状腺機能低下症である犬には与えない方が良いでしょう。
消化不良による下痢や嘔吐
先述の通り、生の白菜は消化に悪いため下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。消化機能が弱いパピーやシニアの犬には加熱してあげましょう。成犬であっても極力加熱してあげることをおすすめします。
白菜を与える量
白菜は100gあた約13kcalのエネルギーを含みます。低カロリーだからと言って与えすぎると、水分量が多いため下痢の原因にも繋がります。
犬は体型や活動量など、個体によって1日に必要なカロリーが異なります。愛犬が1日に必要なカロリーを把握することで、おやつや食事の量を適切にコントロールしてあげましょう。
▼愛犬の1日に必要なカロリーを知るには下記記事がオススメです。
白菜を与える際の注意点
・腎臓や心臓に疾患がある犬
・甲状腺機能低下症の犬
・消化不良による下痢や嘔吐
・白菜を与える量
まとめ
・白菜は与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。生のままは消化に悪いため、極力加熱して与えましょう。
・白菜には犬の健康に良い栄養素を多く含むオススメの野菜です。βカロテン、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンK、カリウム、食物繊維といった栄養素を含みます。
・白菜は不溶性食物繊維を比較的多く含むため、摂りすぎることで下痢ではなく便秘になる可能性があります。
・白菜を与える際は、腎臓や心臓に疾患がある犬、甲状腺機能低下症の犬、消化不良による下痢や嘔吐、白菜を与える量には気をつけましょう。