犬が下痢の時にささみは大丈夫!?栄養学的にペット栄養管理士が解説

犬が下痢の時にささみは大丈夫!?栄養学的にペット栄養管理士が解説おすすめ
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ペット栄養管理士_高山裕紀

高山裕紀
ペット栄養管理士

犬が下痢の時にささみ与えて大丈夫ですか?という質問を良く頂きます。結論から申し上げると犬が下痢の時のタンパク源としてはおすすめです。

しかし、下痢の状態によっては逆効果にもなりますので、ささみを愛犬に与える際の注意点を必ず確認して下さい。

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そもそも犬はささみを食べられる?

そもそも犬はささみを食べられる?

ささみは与え方に注意すれば愛犬に与えても問題ありません。しっかり火を通さないと下痢や嘔吐の原因になるため、与える際は肉の中心が白く色が変わるまで茹でるなど、しっかり火を通しましょう。

調理の際に塩や香辛料は使ってはいけません。また、喉に詰まらせないように、小さくカットして与えてあげて下さい。

そもそも犬はささみを食べられる?
・ささみは犬に与えても問題なし。
・下痢や嘔吐の原因になるため、肉の中心が白く色が変わるまで茹でるなど、しっかり火を通す。
・塩や香辛料は使わずに、小さくカットして与える、

ささみの犬に対する有効成分と効能

ささみの犬に対する有効成分と効能

ささみはビタミンB群、カリウムやリンを含み、犬の健康に良い栄養素を多く含みます。ここではささみ(ゆで)の栄養成分とその効果についてまとめています。

100g中に含まれる食品成分(文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより)

エネルギー121kcal
水分69.2g
タンパク質29.6g
脂質1.0g
炭水化物0g
灰分1.2g

ビタミンB2(リボフラミン)

ビタミンB2は、皮膚の健康維持被毛の質を高めることが期待できます。また、欠乏すると皮膚や被毛が乾燥し、光線過敏症を起こすこともありますので注意が必要です。

ビタミンB3(ナイアシン)

ビタミンB3は、セラミドの合成を促進して皮膚を乾燥から保護する役割があります。そのため、欠乏すると皮膚炎になる可能性があるビタミンです。

ビタミンB6(パントテン酸)

ビタミンB6は、欠乏すると神経系や血液に異常が生じて、てんかんや貧血などを引き起こす恐れがあります。また、皮膚の新陳代謝に関わるビタミンでもあるため、皮膚や被毛の健康維持に役立ちます。

カリウム

カリウムは神経系の働きに重要な役割を持つミネラルです。過剰なナトリウム(塩分)を体外へ排出することで、血圧を安定させる効果もあります。

リン

カルシウム同様に、骨の発育と維持のために重要な栄養素です。カルシウムと密接に関係しているため、バランスよく摂取することが大切です。

ささみの犬に対する有効成分
・ビタミンB2(リボフラミン)
・ビタミンB3(ナイアシン)
・ビタミンB6(パントテン酸)
・カリウム
・リン

犬の下痢にささみは効果的?

犬の膿皮症の症状

犬が下痢の時には消化の良い食事をおすすめしています。肉類の消化の良さを測る基準としては低脂質であることです。

鶏肉は肉類の中でも低脂質の部位が多く、ささみはその中でも低脂質の部位ですので、ささみはお腹の調子が悪い犬にはおすすめのタンパク源です。

鶏肉の部位毎に100gあたりの脂質をまとめると、下記の中では最も低脂質であることがわかります。

文部科学省日本食品標準成分表2020年版(八訂)

脂質
むね 皮付き5.9g
むね 皮なし1.9g
手羽14.3g
ささみ0.8g
もも 皮付き14.2g
もも 皮なし5.0g

しかし、鶏肉による食中毒の報告は例年多く報告されていますので、鶏肉を与える際はしっかりと火を通し、寄生虫や細菌を死滅させてから与えてあげて下さい。

与えた後に、下痢や嘔吐の症状が見られる場合は、必ずかかりつけの動物病院で相談して下さい。

犬の下痢にささみは効果的?
・肉類の消化の良さを測る基準としては低脂質であること
・ささみはお腹の調子が悪い犬にはおすすめのタンパク源
・与えた後に、下痢や嘔吐の症状が見られる場合は、必ずかかりつけの動物病院で相談

犬のこんな下痢にささみはNG

犬のこんな下痢にささみはNG

愛犬の下痢が続いている場合かなり水っぽい下痢をしているなど、下記の症状がある場合は病気やウイルス感染などによる下痢の可能性があります。

そんな下痢をしている場合は、必ず動物病院に相談してみることをおすすめします。

こんな時は動物病院に相談
・下痢を何日も続いている
・かなり水っぽい下痢をしている
・血が混ざっていたり、色が黒い便をしている
・体重が減少している

犬にささみを与える際の注意点

犬にささみを与える際の注意点

腎臓や心臓に疾患がある犬に

愛犬の腎臓機能に疾患があるとささみに含まれるカリウムが溜まりやすくなり、不整脈など心臓に影響を及ぼす可能性があります。

鶏肉アレルギーがある犬

犬の健康維持に役立つ栄養成分を含み、犬が食べれる食べ物ですがアレルギーがある場合は控えた方が良いです。アレルギーがわからない場合は、初めは少量から与えてください。

ささみを与える量

ささみは100gあたり121kcalのエネルギーを含みます。また、リンの含有量も多いためカルシウムとのバランス、カロリーに注意しましょう。

犬は体型や活動量など、個体によって1日に必要なカロリーが異なります。愛犬が1日に必要なカロリーを把握することで、おやつや食事の量を適切にコントロールしてあげましょう。

▼愛犬の1日に必要なカロリーを知るには下記記事がオススメです。

ささみを与える際の注意点
・腎臓病や心臓病の犬
・鶏肉アレルギーがある犬
・ささみを与える量

まとめ

犬の下痢にささみは効果的ですか?という質問を良く頂くため、栄養学的な観点でまとめました。
・ささみにはビタミンB群、カリウム、リンが含まれています。
・ささみは低脂質であるため、下痢気味の犬にはお腹に優しいタンパク源です。
・下痢が続いている場合やかなり水っぽいひどい下痢をしている場合はささみを与えず、まずは病院に相談することをおすすめします。
・ささみは腎臓や心臓に疾患がある犬、鶏肉アレルギーがある犬には注意してください。また、カロリーとリンを意識してささみを与える量にも注意しましょう。

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