この記事の著者

ペット栄養管理士 高山裕紀
「食事と健康のはなし」編集長。
ペットフード会社でドッグフードの開発を経験後に動物たちの健康寿命の延伸を目的に(株)topetを創業。
日本ペット栄養学会所属。ペット栄養管理士、犬の管理栄養士を保有。
はじめに
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早速今日の本題です。犬が罹りやすい傷病を最新のランキングに沿って見てみると犬の皮膚病がTOP1にあることが分かります。今日は犬の皮膚病の原因と対策を解説していきます。第2位の犬の外耳炎、第3位の犬の胃腸炎の原因と対策については下記をご参照ください。
犬が罹りやすい傷病

まずは、アイペット損害保険が発表した犬が罹りやすい2020年のランキング(※)を見てみましょう。この結果に基づき、犬の保険金請求が多い傷病 = 罹りやすい傷病として第1位の犬の皮膚病について原因や対策を解説していきたいと思います。
犬の保険金請求が多い傷病ランキング
<TOP10>
第1位 皮膚病
第2位 外耳炎
第3位 胃腸炎
第4位 下痢
第5位 腫瘍
第6位 異物誤飲
第7位 心臓病
第8位 歯周病
第9位 骨折
第10位 嘔吐
※2020/06/09 アイペット損害保険「ペットの保険金請求が多い傷病のランキング2020」
通院・入院・手術を総合した保険金請求件数を参照
犬の皮膚病の症状

犬が痒がる
犬に脱毛症状が出る
犬にフケが多い
犬の皮膚に赤み・発疹がある
犬が痒がる
犬の皮膚病の症状として痒がるがあります。犬に痒みがあるかどうかは、舐める・擦り付ける・引っ掻くといった行動から判断できますので愛犬が痒みを感じているようであれば皮膚病が原因と考えられます。
犬に脱毛症状が出る
犬の皮膚病の症状として脱毛があります。犬の毛が抜けてしまっている場合、犬自身で掻いたこと (痒み) が原因なのか、掻いていないのに毛が抜けてしまっているのか確認しましょう。犬自身で掻いたこと (痒み) が原因の場合は皮膚病による脱毛を考えましょう。犬が掻いたことによる脱毛が原因ではない場合は、犬のホルモン性の疾患や遺伝性の疾患などが考えられます。
犬にフケが多い
犬の皮膚病の症状としてフケが出ることがあります。犬のフケについても、痒みが伴うのかを確認しましょう。犬に痒みが伴う場合は感染症や寄生虫が原因と考えられ、痒みを伴わない場合は犬の栄養不足/偏りや内分泌疾患が原因と考えられます。
犬の皮膚に赤み・発疹がある
犬の皮膚病の症状として皮膚に赤み・湿疹が出ることがあります。犬の皮膚疾患が原因で起こることが多く、動物病院で診てもらうことである程度原因は特定できます。
犬の皮膚病の原因と対策

アレルギーが原因による皮膚病
ノミやダニが原因による皮膚病
細菌が原因による皮膚病
アレルギーが原因による皮膚病
アレルゲンとなる原因物質により犬が皮膚病を発症します。アレルギーが原因の皮膚病は、食物が原因であることが多いため愛犬のアレルギーを把握しておき原因物質を避けてあげましょう。犬がアレルギーを発症しやすい食物については、肉(牛/鶏/羊)・小麦・乳製品・鶏卵・大豆・とうもろこしなどが挙げられますので是非チェックし皮膚病の原因を排除してあげましょう。
ノミやダニが原因による皮膚病
寄生虫感染により犬の皮膚にアレルギー反応が起こり皮膚病を発症します。ノミやダニが原因の皮膚病は痒みを発生させます。ノミやダニは予防薬が市販されていますので、しっかり皮膚病を予防することが大切です。
細菌が原因による皮膚病
細菌が原因による皮膚病の代表的なものとして犬の膿皮症があります。この原因菌は、犬の皮膚表面に常在菌として存在しており、皮膚機能に異常が起きることで発症します。犬のストレス・スキンケア不足・栄養不足/偏りなどが原因と考えられています。そのため、犬がストレスを溜めない・犬にスキンケアをする・犬の栄養バランスを意識した食事を摂るといったことが皮膚病の対策となります。
最後に
今日は犬が罹りやすい傷病の1つである皮膚病について説明してきました。愛犬が体を掻くことは良くありますが、しきりに掻くなど普段と異なる場合は痒みがあるのでは?と皮膚病が原因と疑ってみてあげましょう。犬の皮膚病は早期発見により病院で適切な治療を受けることで早期回復が見込めます。上記対策と合わせて意識してみてください。
まとめ
・犬が罹りやすい傷病を最新のランキングを基に、皮膚病について解説していきます。
・犬の皮膚病の症状としては、痒み、脱毛、フケが多い、赤み・発疹が挙げられます。
・皮膚病の原因としては、アレルギー、ノミやダニ、細菌が挙げられます (対策は本編を参照ください)。
・犬の皮膚病は早期発見が大切ですので、ぜひ普段から愛犬を観察してあげてくださいね。